医局人事の、勤務医の異動。その準備と心構え。

 

年末年始や、年度末の3月は

お勤めの方にとっては

転勤を迎える可能性がある時期

と言えます。

今回は 実に

7回!の病院間異動を経験した

私が これから病院間異動を迎える

若手、中堅勤務医の方々に向けて

お役に立てば と考えて

以下 まとめてみました。

 

  1. 転勤が決まったら 何を どう段取りするの?
  2. 転勤先の現場スタッフと、楽しく働いている自分をイメージする。
  3. 転勤は 将来のキャリア・パスを見直すよい機会

転勤が決まった、その日から始めましょう

 

病院間の異動では、

自分の診察していた外来や、入院の患者さんの

診療記録を

退職する日までに、あるいは

退職前休暇までに、まとめる事。

更には、新しい勤務先で出会う、患者さんの

状況を、できるだけ早く把握する事。

これらの両方を、うまくやり遂げる

必要に迫られます。

初めての経験ですと、慣れなくて大変

かも知れませんが。

自分の診療を振り返るよい機会でもあります。

また2-3ヶ月に一回程度の頻度で通院されている

患者さんの場合は、意外と早く

最後の診察日、を迎える事になります。

いろいろな感慨を抱きつつも、

お互い気持ちよくお別れの挨拶が

できるよう、適当な時期に、

転勤を伝えるようにしましょう。

また退職時には 有給取る計画の

方も多いと思います。

その日から 逆算して。

引っ越しするなら

物件探し、

荷造りの日数、

引っ越し日を

決める事。

忙しい診療の毎日にあっても

しっかりイメージして

取り組んでいきましょう!

 

 

現場スタッフは、どのうような動きをしているか?
実際の自分の働くイメージを作りましょう。

 

異動をする際には、

先方の診療科の部長先生と、

病院長先生へ、事前に挨拶に

伺うのが慣例です。

その時は、初対面での緊張もあり、

業務に関する詳しい話を

聞きそびれてしまう場合も

あり得ます。

特に。

当直の体制はどのようになっているのか?

夜間や休日の応召は、どうなのか?

当番制をしいているのか?

自分の外来は何曜日になるのか?

各医師の曜日ごとの業務分担は

どのようになっているのか?

今あげた項目は、異動させる先生方に

とって、とても気になる点かと思われます。

よって事前に、よく準備をしておく必要があります。

もし可能であれば。

挨拶に伺った日とは、別に、

もう一日、現場スタッフが、

どのぐらいの忙しさで、

どのように働いているのか?

自分は責任を負わない立場で

観察できるとよいと言えます。

ほとんどの場合、

勤務医は、即戦力として期待

されていますので、

就任当日から、外来業務があったり、

入院患者さんを担当したり、

という事態も十分あり得ます。

良心的な上司の先生であれば、

「まあ、慣れるまで、ぼちぼちやってね」

と言ってくれるでしょうけど、

現実にはそうでない笑

先生方もいらっしゃいます。

検査や点滴のオーダーといった

電子カルテの操作方法。

今まで覚えていたであろう、

よく電話をかける部署の

内線番号。

困った時は、この先生に

相談しよう、というような

気心知れた、頼れる人間関係。

当然ですが、これらは、異動によって

すべてリセットされます。

そうした状況でにあっても

今までと同じレベルで、

医師としての「パフォーマンス」

を発揮する事が、要求されます。

これは、ベテラン医師といえども

なかなかに、難しく大変な、

日々であると思われます。

実際に、私も転勤直後は、

こうした心身ストレスで、

体調を崩しかけた経験があります。

異動先で 一緒に働く

上司や部下。

彼らと うまくコミュニケーションを

取りながら 充実した仕事の

日々を送るには

どうしたらよいか。

是非 リラックスしながら事前に

リアルにイメージしてみて下さい。

早く 業務を覚えなくては、、、

迷惑かけないようにしなくては、、、

と焦る事なく

常に リラックス

とても大切な マインド セットです。

 

病院間異動後のキャリアをイメージする。
大学院進学、留学も視野に。

 

勤務医の異動は

大学の医局に所属している方で

あれば 医局の指示 を受けて

という場合が ほとんど

だと思われます。

その場合でも

その異動が 自分のキャリアに

とって どういう意味を持つのか。

少し考える事が 望ましい

と私は 思っています。

そもそも履歴書を書く、という

作業自体が、これまでの自分の

辿ってきた職歴、取得してきた

資格、などを冷静に、

振り返る機会に

なると言えます。

それで、自分に足りないものは何か?

どういうキャリアを築いていけば

よいのか?

そうやって、自分を俯瞰する。

とても大切な一時です。

将来 開業というゴールを目指すので

あれば 多くの症例に触れる準備期間

として捉える。

更に その病気のある土地での開業を

考えるなら 地元の医師会の先生方との

交流を持つよう意識する。

あるいは ある程度 臨床を頑張った。

次は視野を広げるべく

研究生活は どうだろうか?

大学院は どんなところだろうか?

そういう事にも 思いを巡らせる。

忙しい、言われるがままに

異動した。

そんな先の事 考える余裕はない

では その先も ずっと同じ状況が

続き あっと言う間に 5年、10年

が経ってしまうでしょう。

果たして それで 医者人生、

もっと言えば 人生 そのもの

満足いくでしょうか?

特に多忙な勤務医の先生方には、

たとえ命じられた異動であっても、

その何年か先の自分、

めざすゴール。

それらを常に、

明確に思い描く習慣を

持ち続けて欲しいと思います。

以上。

今回は、どちらかというと

心構え、が中心になりましたが、

「異動」というストレスに

さらされる状況を前にして

リラックスして心身をうまく

コントロールしようという姿勢。

転勤した、その先のゴールを

リアルに思い描く習慣。

これらは、普遍的なスキルとして

役にたつ、私はそのように

確信しています。

みなさんの病院間異動が、

うまくいきますように

願っています。

お読み頂き、ありがとうございました!