「健康の不平等」を生む社会のありよう、について考える。

健康は、すべて自己責任なのか?を考えよう

 

 

せっかく治療した患者を、なぜ病気の原因となった環境に戻すのか?

序章 3ページ目より引用

喫煙は病気の原因だ。私たちが取り扱うべきは、原因の原因なのだ。

第二章 65ページ目より引用

ロンドン大学、疫学・公衆衛生学教授の

マイケル・マーモット氏の著書

「健康格差」

 

 

健康格差

健康格差

  • 作者:マイケル・マーモット/栗林寛幸
  • 出版社:日本評論社
  • 発売日: 2017年08月18日

 

 

 

私も、慢性期の患者さんの診療で、

病気の原因の原因、という問題の

重要性を日々痛感しています。

例えば糖尿病が良くならない原因に、

食生活の乱れがある。

こういう方に対して、

医師や管理栄養士さんは、

 

野菜を中心とした

バランスのよい食事を作って

食べるようにして下さい。

と助言や指導をするのが

一般的です。

しかしながら、

金銭的に、あるいは時間的に

自炊する事が難しい方は

どうすればよいのでしょうかね?

こうした方の場合は

まずは貧困や労働環境といった

原因

食生活の乱れ、という事の

根本的な原因

と解釈できる訳です。

 

こう考えますと

病院の診察室での

指導は、原因の原因を

解決するのには

あまり有効とはなり得ませんよね。

 

他にも

高齢者の独居の問題。。。

生活支援を満足に受けられない方は、

時に、薬の内服時間を守ったり、

転ばないように歩いたり

といった事が、

とても難しい状況にあるのでは?

と想像されます。。。

 

このような原因の原因に対して、

多忙を極める現在の医療現場では

有効な解決策を提示できずにいます。

というより、医療者のみで対処できる問題ではなく、

社会全体の問題として、真剣に捉える必要があると思います。

 

我々の

健康長寿は、

生まれつきの生活環境、

によって、かなり左右されてしまう

可能性がある。。。

そういう事を

気付かせてくれる、

とても貴重な一冊になります。

 

みなさまも、是非ご一読いただきたいと

思います。

 

石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭

現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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