今話題の腸活。自宅で、「腸内フローラ」検査をやってみた!

*腸内フローラを知っていますか? 

 

その解説ならびに、「腸内フローラ検査キット」の

製品レビュー、オススメの書籍についての記事です!

 

 

ここ数年、脳と腸の相関は非常に注目を集めています。

以下のサイトにも書かれていますが、消化管(小腸や大腸)の状態が、

自律神経や、ホルモンをの作用を介して

脳に作用し、その結果不安や抑うつといった

不安定な精神症状を引き起こす事が分かってきています。。。

そして、そういう状態の脳が、更に消化管の動きを抑制する事で、

便秘などを発生させる。。。

このような、双方向性をもっているという事実が指摘されています。

更には、腸内に普段から棲みついている、

「腸内常在菌」

つまりは、乳酸菌や、ビフィズス菌などの細菌たちも、

こうした脳-腸相関に、極めて重要な関りをもっている、という事にも

注目が集まり、研究が進められています。

 

https://bifidus-fund.jp/keyword/kw033.shtml

*公益財団法人日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会のサイトへリンクします

 

※我々の腸内には、何億という細菌が暮らしています。

 

 

ハーバード大学の医学部(medical school) は、

Harvard Health Publishing

というサイトを立ち上げ、全世界に向けて

健康関連の、とても価値ある情報を配信ています。

その中でも、脳と腸の密接な環形について、要点をまとめて報告してくれています。

https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/the-gut-brain-connection

*Harvard Health Publishingのサイトにリンクします。

 

こうした背景から、

最近、

「腸内の環境を整えましょう」、というようなメッセージを

よく目にするようになってきていると思われます。

そして、腸内の環境は専門的な用語で

「腸内フローラ」と呼ばれています。

https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/choflora/

*ビオフェルミン製薬さんのサイトに、とても分かりやすい説明があります。リンクします。

 

そして、「腸内フローラ」を整えて、健康な生活を!というコンセプトと相まって

「腸活」(ちょうかつ)

なる用語も使われてきています。

これは、どちらかというと、腸活で便秘解消!や、腸活でダイエット!

という文脈で使用されている印象があり、個人的には

便秘改善や、ダイエットに関心の高い女性に向けてのメッセージのように

感じています。

 

「健康寿命」という観点から、もう一歩踏み込むと、やはり先に述べました

「脳ー腸」相関という現象に配慮し、

腸をよりよい状態に保ち、不安やうつ、などの発症リスクを抑えるような

日々の生活、特に食生活が大切なのでは?

このように考えます。

 

腸内細菌、について

更に詳しく知りたい方のために

とても興味深い一冊をご紹介します。

 

 

 

著者の佐々木氏は、

巷間言われている、

「善玉菌」や「悪玉菌」という

分類に疑義を呈され、

土壌細菌:どじょうさいきん

(自然の土の中で生育している種々雑多な細菌たち)

のバランスが取れている状態こそが、腸内環境として理想的

との論理を展開されています。

 

そもそも、善玉や悪玉というのは

人間による恣意的(しいてき)な

分類と言えるかも知れません。

 

私も、

ある特定の「腸内細菌」のみを

摂取して、

「腸の健康を回復しましょう!」

というスローガンには

やや懐疑的な立場ですので、

著者のお考えには

大いに共感した次第です。

 

※腸内細菌についての関連記事です。

腸の健康に、「ヨーグルト」は本当に効果があるの?

 

 

詳しくは、

是非本書をお読み頂きたいですが、

人類もまた

大いなる自然の一部であり、

土壌細菌との共存状態こそが

腸やひいては心身の健康維持に

繋がる可能性を秘めていると言えます。

 

 

 

 

 

 



 

 

 

というわけで。

今の自分自身の

「腸内フローラ」ってどうなんだろう?

それって、検査出来ないのかな?

そう考え、あれこれ調べた結果、以下の製品に巡り合いました!

特に便秘などで困っているわけではありませんが笑、とても興味あり、購入して

使ってみましたので、そのレビューをお届けします。

 

腸活チェック

 

※株式会社 ヘルスケアシステムズのサイトにリンクします。

 

こちらは、腸内フローラの状態を評価する方法として、

「尿検査」

を採用しています。

サイト内の、どうして尿で腸内環境がわかるの?

にも記述がありますが、

腸内細菌が産生したインドールという物質は、肝臓内で代謝された結果

「インドキシル硫酸」になる事が知られています。

この

「インドキシル硫酸」

の尿中濃度を測定する事で、腸内環境を推定している、と説明しています。

 

この「インドキシル硫酸」は

我々腎臓専門医のあいだでは、とても有名な有機化合物であります。

慢性腎臓病の患者さんの体内には、尿毒素(本来腎臓で代謝・分解され尿に捨てられる物質)

が年月をかけて蓄積して、尿毒症という病状に陥ります。

「インドキシル硫酸」は、代表的な尿毒症物質であり、

これらを消化管内で吸着して、便に排泄する作用を持つ薬もあり、

実際に日々の治療のなかで、慢性腎臓病患者さんに対して処方し、服用頂いています。

 

従いまして、健康な方であれば

腸内に数多くの 「インドール」産生菌がいる、という現象を

評価するという意味では、このキットは有用性があると言えます。

 

ただし、「慢性腎臓病」と診断されている方。

現在、「慢性腎臓病」の治療を受けている方。

これらの方では、腎臓の「インドキシル硫酸」排泄能力が低下しているため、

検査結果に影響があると予想されます。

 

購入した検査キットには、これと同じ内容を伝えるための

注意書きが同封されていますが、

製品紹介、購入ページには明記がないため、

こちらで、改めまして

ご案内申し上げた次第です。

 

上の写真にあります、検査キットに、

朝いちばんの尿を採取し、ふたを閉めて、封筒に入れて郵送する。

このような流れで簡単に作業は終わりました。

検査容器に貼ってあります、

被検者の個人を特定するために、バーコードが貼られています。

これは、後日、ヘルスケアシステムズのサイトで結果確認するために必要になる、

と説明されていました。

 

 

 

 

 

 

個人的には、「腸内フローラ」の結果は、もちろん気になるところですが、

昨今、こうして自宅で簡便に、尿や血液をとって身体の状態を調べられる

という民間のサービスが増えてきている事に、医師・勤務医として関心があります。

検査の信頼性が保証されているのであれば、

わざわざ病院などで、長い時間並んで検査を受けに来る、という手間が省略

されますので、仕事が忙しい方や、介護などで病院に行く時間がなかなか作りにくい方には

朗報かと思われます。

 

健康寿命増進のための、一次予防の観点からも、今の健康状態チェックとして

気軽にこれらのサービスを利用してみてはいかがでしょうか?

 

ただし、その結果が問題なければよいとして。

少しでも気になる結果、なにか指摘された項目があるようでしたら、

放置せずに、まずはお近くの診療所で、相談してみる。

そのような行動が必要だと言えます。

 

更に大切な事として

「便秘」の中には、

重大な病気が隠れている可能性もあり、

場合によっては、

「大腸カメラ検査」

が必要な場合もあります。

 

※私も、「大腸カメラ」検査を受けています、体験記をどうぞ笑

現役医師が、患者さんに⁈「大腸カメラ体験記」〜前編〜

 

 

今回の記事が、

「腸の元気」を考える

きっかけ、になれば

幸いです!

 

※便秘にお悩みの方には、以下の記事もどうぞ。

便秘の改善に、和式便座が効く?!医学的な理由とは。

 

お読みいただき、

誠にありがとうございました!

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

お問い合わせ