いよいよ到来、2019年、春の花粉前線!!
●花粉症の季節に向けて、対策を!
まだまだ寒い2月ですが、すでに先週から
東海、四国、中国、関東甲信越地方にかけて「スギ花粉」の
飛散が始まったとの情報があります。
※日本気象協会のホーム・ページへリンクします。
実際に、普段の診察室でも、
「先生、そろそろ花粉症っぽい症状が出始めているんで、
薬もらえませんかね?」
という患者さんの声も聞かれ始めており、
インフルエンザ、の話題が終息を迎えるとともに、
今年も、いわゆる
「花粉症」シーズンの到来なのかな、と感じる今日このごろです。
●すでに、あなたの住む街にも花粉が飛散し始めているようです。。。
よって今回は、花粉症に悩むみなさまに向けて、
健康寿命増進ドクターとして、
お役にたつであろう記事を書きたいと思っています。
鼻洗浄、をやっていますか?正しい”鼻うがい”のやり方。
花粉症の治療に従事されている医師のアンケート結果から
患者さんに勧めたい、花粉症対策、予防製品として以下をあげています。
第一位
マスク
第二位
眼鏡、ゴーグル
第三位
空気清浄機
第四位
鼻洗浄液、鼻洗浄器
これらの結果は、Medical Tribune 誌の会員向け記事を参照しています。
https://medical-tribune.co.jp/
※Medical Tribuneのサイトへリンクします。
毎年、花粉症対策に取り組んでいる方であれば、どれも実践している内容かも
知れませんが、個人的には、やはり他の医師も
「鼻洗浄」
をすすめているんだな、という点に注目しました。
これは、鼻うがい、ともいうべき内容で、
鼻腔(はなの奥のスペース)に付着する細菌やウイルスを排除し
清潔に保つ行為として、推奨される行為であろうと思い、
私も毎日帰宅してから、習慣として取り入れています。
やり方としては、一般に市販されている以下の製品を使用していますので、
この製品の医学的意義に言及しながら、使用感もレポートしたいと思います。
小林製薬 ハナノア(300mL)【ハナノア】 | ||||
|
さて。
「痛くないは本当か?」
実際にお使いになる際には、専用の鼻洗浄器具と、
専用液300mlを購入することになるかと思われます。
最初慣れない場合には、薬液が鼻の奥の粘膜を刺激して、
ツンとした感覚に若干の違和感を覚えるかもしれませんが、
確かに「痛くはないかな」と言えます。
また使用後は、鼻呼吸をする際に、ミントのような芳香を帯びた、
爽やかな空気が通り抜けるため、とてもスッキリします。
医学的にも、鼻粘膜に付着した細菌、ウイルス、もちろん花粉をも
直接洗い流すことになるため、
立派な予防医療のひとつであると、考えられます。
また鼻うがいのタイミングとしては、
外から帰ってきたとき、や、空気が乾燥している場所で長時間過ごした時、
起床時などが、よいかなと思われます。
理由としては、この行為は洗浄効果に加えて、ある程度鼻の粘膜の
「保湿」にもつながる可能性があると考えるためです。
こうした鼻の粘膜や、喉から気道にかけての線毛は、
感染の防御という観点からとても大切です。
くわえて、その機能を妨げる最大の要因が、
「寒さ」と「乾燥」とされています。
https://www.lion.co.jp/ja/company/rd/topics/128
※LIONのサイトにリンクします。
つまりは、常に鼻の中も、ある程度湿っている状態を
維持する必要がある訳です。
ただし、この製品を使う際には多少工夫が必要で、
容器の液の残りが少なくなるとただ空気を押し込む事になってしまうなど、
注意も必要です。
また、傍目には、
顔を前につきだして、片方の鼻に容器を差し込み、反対側の鼻から
ダラダラと液が垂れてくる、という、
どうみても滑稽な姿をみられる事になりますので笑
間違っても、職場のトイレや、洗面所などでは
「鼻うがい」をしないよう くれぐれもご配慮願いたいです。
※出先での鼻うがいは、周りに誰もいない事を確認してから。。。
そしてもう一点。
初回購入の専用液300mlは、お試しいただけば分かると思いますが、
正直あっという間に、使い果たしてしまいます。。。
交換用に500ml溶液も販売されていますが、毎朝晩使い続けていると
それほど長持ちしません。。。
そこで、我が家では、薬液としては以下を使うようになりました。
ハナクリーン専用洗浄剤 サーレMP(3g*180包入)【サーレ】 | ||||
|
これは、一般家庭の水道の湯水に、粉末状の製品を溶かしたものを
鼻洗浄液に使うという方法になります。
これ使って、先に購入した鼻洗浄液で、
「鼻うがい」
でも同じ効果が得られると言えます。
ただし、このように水道の水を使って鼻うがいをする際には、
水の衛生状態には十分に注意する必要がありそうです。
以下の論文では、海外での事例にはなりますが、
鼻洗浄器を使って、鼻うがいをした際に使用した水が
「アメーバー」(バクテリアの一種)に汚染されており、
これが原因で、脳脊髄炎を発症し死亡した件について、論文報告しています。。。
https://academic.oup.com/cid/article/55/9/e79/434487
*Clinical Infectious Disease のサイトで全文閲覧できます。
ナショナル・ジオグラフィックのサイトでも、
脳を食べる病原性バクテリアが鼻から侵入という、
センセーショナルな見出しで注意喚起をしています。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8213/
*ナショナル・ジオグラフィックのサイトにリンクします。
アメリカにある、感染対策の総本山とも言える
米国疾病管理予防センター(通称CDC)のサイトでも、
このアメーバが、飲み水に混入している場合の感染の危険性に
関して警告しています。
https://www.cdc.gov/parasites/naegleria/index.html
*CDCのサイトにリンクします。
日本の水道水は、基本的に塩素濃度がしっかりと管理されており
おそらく大丈夫だとは思われますが。
万全を期すなら、鼻うがい用の水は、煮沸消毒後、冷まして使う
という事になりそうです。
また、洗浄容器も常に清潔に保つようにして頂きたいと思います。
※汚染された水の中の細菌などが、鼻から脳へ侵入し致命的な感染症に。。。
まとめ
花粉症の対策のひとつとして
「鼻うがい」はオススメできそうです。
ただし、専用の薬液を使用する、もしくは水の衛生状態に
注意する。洗浄容器を清潔に保つ。
これらも是非意識して欲しいです!
お読みいただき、ありがとうございました。