シャンプーは抜け毛に効くのか?毛髪の科学を知ろう。

抜け毛、薄毛にお悩みの方に。。。

 

※自分では見えない、後ろ髪、気になりますね。。。

 

今回は

「脱毛症外来」の皮膚科医の先生が書かれた本、

専門医が語る

毛髪科学最前線

を紹介しつつ、最新の海外論文も眺めながら、

私自身も、

いち中年男子として、とても興味ある(笑)

髪の毛の健康寿命について考えてみます。

 

専門医が語る毛髪科学最前線

専門医が語る毛髪科学最前線

  • 作者:板見智
  • 出版社:集英社
  • 発売日: 2009年05月

 

 

 

 

 


「お医者さんで治せる」時代を迎える脱毛治療。

 

先にご紹介した書籍は、さすがに毛髪に関して

最先端の研究をされている医学博士・現役医師が

執筆されており、私もとても勉強になりました。

髪、毛根の解剖から、髪の毛の成長サイクルについて。

これらが、年齢やホルモンのバランスなどで乱れた際に、

脱毛に繋がる事。

 

加えて、内科でも通常診療で処方している多くの薬が、

髪の休眠期(毛根が髪を作る事をお休みしている期間)を

延長させる可能性があるとのデータが掲載されており、

ちょっと驚きました。。。

化学療法(抗がん剤)で毛がが抜ける事は、多くの方が

ご存じと思われますが、それ以外でも「脱毛」

の原因になっている薬があるかも知れません。

これについて詳しく知りたい方は、本書をお読み下さい。

そして、今、皮膚科の外来にて受けられる、様々な

「脱毛の治療」

についても詳しく説明がされています。

個人的には、

「円形脱毛症」には精神的ストレス、も発症に関与している

との考え方から、薬の処方のみではなく、

実際に心身のカウンセリングも行っている点が

興味深いと感じました。

やはり、「心の健康」は

「髪の健康」にとっても、大切であると言えそうですね。

 

※ストレスなく働いて、髪の健康寿命を延ばしましょう!

 

 



 

 


シャンプーは、髪の健康にとって役に立っているの?

 

このテーマは、以前から、ちょっと気になっていました。

色々な化学成分を含んでいるが、頭皮や毛髪にとって

刺激物質ではないのか?

では、天然由来の成分であれば、よいのか?

お湯で流すだけでもよいのでは?

などなど。

これについては、現状以下の本を含め、

さまざまな立場が示されています。

 

シャンプーをやめると、髪が増える

シャンプーをやめると、髪が増える

  • 作者:宇津木龍一
  • 出版社:角川書店
  • 発売日: 2013年08月10日

 

 

先の、「脱毛症外来」の先生の言葉や、他の研究論文

などから、このテーマを考えてみます。

洗髪の目的は、すでに頭に生えている毛髪と頭皮を洗浄することで、

頭皮から数ミリ内側に入った毛包までシャンプーの成分は届きません。

髪の毛を作るのはこの毛包部分ですから、シャンプーが安かろうが

素材が悪かろうが、それが抜け毛につながることはないのです。

したがって、抜け毛対策として高いシャンプーを買うのは無意味、

ということになります。

※専門医が語る毛髪科学最前線より引用です。

うーむ。なるほど(笑)

頭皮の洗浄には意味があるとして、生えている髪自体への

影響はあまりないという意見と思われますね。

もう少し見ていく事にします。

 

皮膚科医が、シャンプーやコンディショナーについて知っておくべき事、

という海外の文献。

 

Indian J Dermatol. 2015 May-Jun;60(3):248-54. doi: 10.4103/0019-5154.156355.

Shampoo and Conditioners: What a Dermatologist Should Know?

D’Souza P1, Rathi SK2.

 

※pubmed のサイトへリンクします。

 

こちらでは、シャンプーをするとは、どういう事か?について、

成分や、効能効果、洗髪の方法などについて順を追って丁寧に

書かれています。

こちらでは、髪の毛の状態や、どのようにセットしているか

(例えば整髪料でしっかり固めているのか?パーマなどをしているのか?)

これらの状況次第で、洗髪の頻度は違ってくる、としながらも

基本的には生えている髪は清潔に保つ必要がある、という

立場を述べています。

確かに、整髪料が髪にずっと残っているのは、良くなさそうなので、

毎日ちゃんと洗い流す必要があるだろうな、と同意出来ます。

 

海外では、以前からシャンプーをするのか、しないのかが

医学、とくに皮膚科学の分野で争点になっていたようで、

“no-poo”(no-shampooの省略形)という表現がすでに広く

周知されています。

 

Cutis. 2018 Jan;101(1):22-26.

No sulfates, no parabens, and the “no-poomethod: a new patient perspective on common shampoo ingredients.

Cline A1, Uwakwe LN2, McMichael AJ2.

こちらでも、洗髪について触れながら、

すべての化学成分が有害ではなく

同時にすべての天然成分が無害とは言えない

と、ある意味公平、中立な結論を示しています。

 

これらを概観し、

私としては、シャンプーによる洗髪は、

発毛や育毛とは無関係ではあるが

生えている髪の汚れを落としたり、

整髪料を取り除く、

そのためには必要である事は、ほぼ確からしい。

そして、その成分については、なんとも言えない

(ひとまず汚れが落ちればよい?)

と理解しておこうと思っています。

 



 

 


頭皮(スカルプ)ケアって、本当に意味があるの??

 

では、もう一つの話題として。

テレビCMでも大々的に謳われている、

頭皮(スカルプ)ケアの効果について、専門家や医学文献を

見てみることにしましょう。

まずは、先ほどと同じく「脱毛症外来」の先生の書籍より

いくつかの育毛剤や養毛剤の説明書きには、マッサージなど

頭部への刺激が血行を改善し育毛を促進する、というような

事柄が記されていますが、これは正確に言えば

「科学的事実」ではありません。もともと血圧を下げる飲み薬

として使われているミノキシジルも、当初は

「血行をよくするので育毛効果がある」と考えられていました。

しかし、ミノキシジルの効果は毛乳頭細胞に作用して毛の成長を

促す因子を放出させることによるものだと、

いまでは明らかになっています。

※専門医が語る毛髪科学最前線より引用です。

●ミノキシジルは、こちらの製品に含有されています。

https://brand.taisho.co.jp/riup/riupx5/product/#tab3

※大正製薬の商品情報サイトにリンクします。

 

つまり、発毛、育毛は、「頭皮の血流」を良くするという

マッサージのような刺激ではなく、

あくまで毛根の細胞に直接作用する

薬剤が有効である、という事なのでしょうね。

 

また、こちらの論文では、頭皮環境によっては脱毛に繋がる

可能性がある事を報告しています。

 

Int J Trichology. 2018 Nov-Dec;10(6):262-270. doi: 10.4103/ijt.ijt_57_18.

Scalp Condition Impacts Hair Growth and Retention via Oxidative Stress.

 

 

こちらでは、特に頭皮の酸化ストレスが、脱毛の危険因子

であるとしています。

●酸化ストレスについては、以下の解説をご覧下さい。

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/sanka-sutoresu.html

※健康長寿ネットのサイトにリンクします。

酸化ストレスは、

運動不足や、食事の偏り、喫煙、慢性の炎症(歯周病など)の

生活習慣、全身の状態によって引き起こされる、過剰な酸化現象

とされています。

これらが頭皮にもダメージを与え、脱毛の原因になるといのは、

納得できますね。

 

従いまして。

確かに頭皮が健康に保たれる事が、正常な発毛に

重要であることは確からしいですが。

単に、マッサージなど局所を刺激するだけでは

発毛効果は期待できないだろうな、という事でしょうか。

ただし、医学的に効果が確認されている成分の

スカルプケア(育毛・発毛剤)には一定の効果が期待できるのでは?

と、まとめさせて頂きます。

 

※頭皮を叩くだけには、あまり効果がないかもです。。。

 

とは言いながら、個人的には

美容院などでの

「頭皮マッサージ」は、

なんとも心地よいため、実際の効果は正直、

まあ、どちらでもよいかなと思って、いつも施術を受けております笑

お読み頂きありがとうございました!

 

※ワクワク生活で、髪の健康寿命を守りましょう!


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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