みなさんの中には、朝食には、
「食パン」
という方もいらっしゃるかと思います。
手軽で、空腹も満たしやすいため、
おかずは食べずに、
パンだけ、
というような場合もあるでしょうね。
※今回は、「パンと健康」がテーマです。
しかし、健康寿命を考えるうえでは、
是非その食習慣を見直して欲しいと思っています。
その理由について、食パンの主成分である
小麦粉に含まれる
「グルテン」
と
「食品添加物」
という観点から、説明したいと思います。
「小麦グルテン」が原因とされる、さまざまな慢性疾患。。。
もっとも有名な事例としては、
しばしば原因不明の下痢や腹痛を繰り返す難病とされている
「セリアック病」
に、このグルテンが関わっている事が、数多くの医学論文にて
報告されています。
Nutrients. 2019 Feb 1;11(2). pii: E320. doi: 10.3390/nu11020320.Gluten-Induced Extra-Intestinal Manifestations in Potential Celiac Disease-Celiac Trait.
この病気は、
グルテンの成分のひとつである
「小麦グリアジン」に対する抗体が、血液中に同定できるそうです。
抗体とは、
免疫細胞が分泌するタンパクの一種で、
体内に侵入してきた
細菌やウイルスを排除するために
とても重要な働きをする物質です。
こうした生体防御機構は、免疫応答、免疫反応と
呼ばれますが、
これが発生している部位では、こうした化学反応
つまりは炎症(えんしょう)によって
細胞の表面が障害されると言えます。
怪我をした場所が、化膿して、熱を持ってジンジンと痛む
という状態をイメージしていただくと
お分かり頂けるかと思います。
こうした炎症が、小腸の至る所で起きるため
粘膜の壁が次第に破壊されていきます。。。
結果として、大切な栄養が吸収されなくなり
「セリアック病」
の患者さんは、深刻な栄養失調に陥る事になります。
すべての患者さんにとって、有効かどうかは
明らかではないようですが、
この病気の治療法はとてもシンプルに
「小麦断ち」をするだけだと、
以下の本の著者は述べています。
こちらの本の、はじめに、では
健康にないたいなら、いますぐ「小麦」をやめなさい!
との文言が目に入ります。
※小麦は食べるな! ウイリアム・デイビス(著)より引用です。
こちらでは、上記のセリアック病以外にも、
小麦・グルテンは
さまざまな皮膚の病気の原因や、
動脈硬化による心血管系の病気(心筋梗塞)
にも関与していると指摘しています。
更に、医学的に興味深い点として
グルテンの持つ「オピオイド」効果について
言及している事です。
これはどういう事かと言いますと、
脳にあるモルヒネ(麻薬として有名ですね)の受容体に、
グルテンに含まれる、アミノ酸配列が結合するという
意味になります。
もっと簡潔に表現するならば、
「パンを食べると、脳内麻薬が分泌されたような状態」
が引き起こされる、と言うわけです。
この点は、更なる研究が必要と思われますが、
場合によっては、グルテン依存症という症状や
グルテンを辞める事による禁断症状が出現しかねない、
と解釈出来ます。
実際に、グルテンによる
「オピオイド効果」に注目し、
その機序を解析するとともに、
グルテンを避ける食生活を推奨すべき、としている
研究論文もあります。
The opioid effects of gluten exorphins: asymptomatic celiac disease
※クリックでpubmedのサイトにリンクします。
もし、みなさんの身近に、
パンが大好きで、辞められない!
無性にパンが食べたくなる。。。
そんな方がいらっしゃいましたら、
こうした脳への作用についても
知っておいてもらうとよいかも知れません。
市販の食パンに含まれる、本来は避けるべき添加物。。。
以下、一般に流通している
「食パン」
の原材料名を参照しながら、これらがいかに
健康被害をもたらすのか?
是非覚えておいて欲しいと思っています。
今回の記事を書くにあたり、以下の本をご紹介しておきます。
長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい! 小藪 浩二郎(著)
こちらの本には、食パン以外にも、
数多くの加工食品や、調味料に含まれている
食品添加物について、とても詳しく解説されています。
私も日々、健康寿命に役立つ情報を、との思いで
このサイトを運営しています。
その中でも、特に
「毎日の食生活」
はとても大切である事は、繰り返しお伝えしているつもりです。
遺伝子組み換え食品かどうか?
無農薬・有機野菜なのか?
原産地はどこなのか?
これに加えて、
食品添加物はどうなのか?
これにも、是非意識を向けて欲しいと思っています。
さて、改めまして。
食パンの 原材料名を見ていきます。
特に危険度が高いとされる、
乳化剤と、マーガリンについてお伝えしておきます。
とても重要な記述と思われますので、全文を掲載します。
①乳化剤
乳化剤とは本来、水と油脂を混ぜるための添加物です。
食パンは時間がたつと食感が悪くなります。
これを老化といいます。老化は冷蔵庫に入れておくと
促進されます。どうやら、食パンの老化防止に
乳化剤が使われているようです。パンによく使われている
グリセリンエステルという乳化剤は、さまざまな化学物質の
混合物です。ですから、このような乳化剤を使用している食パンを
食べるだけで、色々な化学物質を体に取り込むことになります。
添加量の規制もありません。
また乳化剤には不純物がいくらまでなら入っていても許される
という法的規制がありません。
長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい! 小藪 浩二郎(著)より引用です。
②マーガリン
菜種油などの液体の油に水素を結合させると、固体になります。
これを水素添加油脂とか、硬化油脂といいます。
水素添加といっても水素を化学的に結合させるので。
立派な合成添加物ですが、
法令では食品素材ということになっています。
マーガリンは、水素添加油脂にさまざまな材料を混ぜてつくられています。
水素添加物には悪玉コレステロールを増やすことで
心筋梗塞を発症させる極めて危険な
「トランス脂肪酸」
がたくさん含まれています。
長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい! 小藪 浩二郎(著)より引用です。
以上、食パンには
そもそも、なにが、どれだけ含まれているか分からない。。。
様々な研究結果から、人体への有害性が立証されている
「トランス脂肪酸」
が含まれている事が判明しました。
こうした食品が、普通に市場に流通している現状に
暗澹たる気持ちになりますね。
自分や家族の健康を守るため、
食品を手にする際には、
どんな添加物が含まれているのかな?
そうやって確認するようにしていきたいものですね。
※スーパーの食品には、食品添加物が数多く使われています。。。
特に
毎日の「食パン」生活は、ダイエット効果とは正反対、
つまり健康寿命に悪影響である。
そのように考えられます。
今回もお読み頂き、ありがとうございました!
現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。 ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。