その疲れ、脱水症状かも?脱水予防に効く意外な対処法をご紹介!

 

我々の健康な生活に欠かせない、

水。

毎日しっかり摂れていますか?

 

※生命にとって、最も大切な「水」についてのお話です。

 

実は多くの人達が、隠れ「脱水症」の可能性がある。。。

 

私達は、毎日ちゃんと

健康な生命活動を営むために

適正な量の

「水分」

を摂れているのでしょうか?

あまりにも当たり前すぎて

多くの方には盲点になっている

かと思われますが、

実は、現代の生活環境、

食生活自体に、

我々を「脱水状態」

に陥れるリスクを孕んでいる。

そんな重大な指摘をしている

本に出会いました。

 

 

 

今回は、改めて

健康寿命の根幹に関わる

「水」

につきまして

こちらの本の記述に

考察をくわえながら

紹介します。

特に、

「ただ水をたくさん飲む」

という発想ではなく、

「どうやって身体・細胞に行き渡らせるか?が大切」

という視点を提案してくれたいたのが

なかなかに面白く感じましたので。

これらを中心に書いていきます。

 



 


脱水のセルフ・チェックをやってみましょう。

 

※慢性の体調不良に、「脱水」が関わっている可能性があります。。。

 

 

先の本の冒頭には以下のように

書かれています。

塩分が多く、水分の少ない加工食品など、

私たちが食べるものを代謝するには、体に

大きな負担がかかる。

さらに水分を含んだ野菜や果物の不足が

体を感想させつづけ、干からびさせる。

その上、人はかつてないほど蛍光照明、

空気を乾燥させる暖房や冷房に曝されている。

電子機器も考慮に入れれば、更に脱水状態が進む。

※「食べる水」が体をかえる 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

より引用です。

 

確かに我々は、一年を通して、

どちらかというと

「身体の乾燥」

に注意する必要があると言えますね。

冬場は、湿度が低く更に、暖房器具を

使う事で乾燥しがちになります。

しかし特に意識して水分を摂る

事はしないのではないでしょうか?

 

そして気温の上がる夏は、ご存じ

「熱中症」

の危険が迫ってきます。

直接日光に当たらなくても

アスファルトの照り返しや

空調の悪い屋内といった要因で

熱中症に罹患する事はよく

知られています。

高度の脱水を伴う場合には

命の危険さえあります。

実際、お年寄りは不幸にも

熱中症で毎年多くの方が

亡くなられているという

事実があります。

適正に水分補給を行う事。

とてもシンプルですが、

改めて毎日の生活で意識して

いただきたいと思います。

そして、医療機関で薬剤の

投薬を受けている方。

それらの薬剤の中には、

脱水を引き起こす可能性が

ある事も是非知っておいて下さい。

特に、血圧の治療などに用いられる

「利尿剤」は

文字通り、尿の排出作用を有しています。

風邪をひいたり、

怪我をしたり、

お身内に不幸があったり、、、

これらをきっかけに

体調が悪なり、食事や水分が

充分に摂れない際に、

「ちゃんと決められた量と

回数を守らないと。。。」

と利尿剤を飲み続ける事は

とても危険と言えます。

 

※ある種の薬は、脱水を引き起こす危険性を孕んでいます。

 

こうした状態は

「シックデイ」(治療中における病状の悪化)

と呼ばれています。

主に糖尿病の方が

食事が取れない際に、血糖がさがる薬を

飲み、低血糖になってしまう、という

状態を指す用語ですが、

他の領域でも使われつつあります。

薬の継続や中断は、

かならず処方した医師の診察を

受けるように心掛けて下さい。

 

では、

ちょっと体調が思わしくないかも、、、

そんな時に、もしかしたら

脱水なのだろうか?

そう疑う事が大切になってきます。

では、脱水を自分自身で

簡単にチェックする方法はあるのか?

気になりますよね。

こちらの本にも紹介されている

やり方は、

実際に、私も腎臓内科医として

日常診療に用いている

信頼できる方法ですので、

ご紹介したいと思います。

 

1)尿を観察する。

正常な尿は、透明からやや薄い黄色の状態です。

ビタミン剤などを服用していますと、

黄色が強くなるとされています。

そして脱水になると、黄色〜褐色のような濃い色

になってきますので、普段から尿の色を

意識してみるとよいかと思います。

そして、尿の量、

つまりは尿の回数が減っていないか?

にも特に注意する必要があると言えます。

 

2)皮膚をつまむ。

手の甲を、ちょっとつまんでみて下さい。

正常であれば、すぐにもとに戻りますが、

脱水の場合は、しばらく同じ形が維持されてしまいます。

 

3)指の爪を5秒間押す。

これは、指の爪を5秒間押して、

手を離すという手順で、

脱水を評価する方法です。

実際にやってみるとお分かりかと

思いますが、

爪を押さえる事で、

白っぽく変色するのが観察できるかと

思います。

正常であれば元の肌色に戻るまでに

2秒程度とされています。

これが5秒以上であれば、

脱水状態、と診断出来ます。

参考までに

capillary refilling time

と呼ばれています。

https://jadm.or.jp/od/yougo/c.html

※日本災害医学会・用語集のサイトにリンクします。

 

3)体重を計測する

これは、特に激しい運動を

したあと、暑い環境での

長時間の作業が続いた後などに

大切になってくると言えます。

身体へのこうした負担の

前後で体重が減っていないか?

減っているなら、後ほど

ちゃんと体重を戻す程度の

水分を摂れているか?

こうした確認が必要と言えます。

※「食べる水」が体をかえる 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

を参照し、一部改変し解説を加えています。

 

なるほど

では、水をたくさん飲めばよいのですね?

と早合点しないように、と。

この本では、このように

書かれています。

 

※なお、水、に関しましては

できれば、ペット・ボトルの

水は極力控え、適正に消毒された上水道や

清潔な井戸水の摂取をオススメ致します。

 

ペット・ボトルのミネラルウォーターって安全なの?

 

著者によれば

脱水は、

例えば職場でずっと

イスに座っているような、

あまり動かない生活をしている

人達において、

身体の細胞への水分供給が

滞り、結果として

老廃物の排泄(つまりは尿)

も悪くなる。。。

こうした水の巡りに関する

悪循環も身体にとっての

「脱水」として

捉える必要があるとしています。

なかなか興味深い視点と言えます。

では、具体的には、

どうしていくとよいのか?

みていく事に致しましょう。

 




ただ「水を飲む」ではなく、どう身体に水を行き渡らせるのか?が大切。砂漠の民の知恵に学ぶ!

 

ふただび、本の記述を紹介します。

アラビア砂漠の遊牧民ベトウィン族は

水分補給についてかなりくわしい。

液体を飲むときはガブガブと飲み、

すすったりしない。

朝、起き抜けにまず内臓をしっかりと

潤わせ、すぐにその日の移動を始める。

それはあまり水分を必要としないようにする

彼らの対策のひとつだ。

※「食べる水」が体をかえる 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

より引用。

脱水の生理学について考える際に、

水がとても貴重で、過酷な環境に生きる

砂漠の遊牧民に注目するというのは

とても理にかなっていますよね。

 

※水が乏しい環境で生きる、”砂漠の民”から学ぶ最先端の脱水対策。

 

そして、どうやって

脱水で命を落とさずに暮らしていけるのか?

その理由を見いだせずにいたようですが、

ついにその秘訣を見つけた!としています。

ラクダやヤギの乳がベトウィン族の

水分補給の基盤で、ヤギのバターや

ギー(訳注/澄ましバター)をパンに

たっぷり塗ったり、調理に使ったりして

体に取り入れていたのだ。

※「食べる水」が体をかえる 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

より引用。

こちらの記述からは、水分を維持するのに、

脂(アブラ)が重要であるとう

メッセージが受け取れますね。

これに関しては、別のページで

以下のように補足されています。

さらにラクダのこぶの中身が、

多くの人が信じ込まされてきた

水ではなく、脂肪-そう、脂肪だ!

であることの説明になるかも

しれない。

水源もない暑い条件の中、

どこまでもどこまでも移動する

ラクダの伝説的な能力には、

脂肪が関与しているようにも思える。

※「食べる水」が体をかえる 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

より引用。

ラクダ!のこぶ、を考える事は

我々人の脱水を考えるヒントになる。

とても説得力を感じる仮説ですね。

 

※脱水対策のヒントは、ラクダのコブ、に含まれる脂肪成分?!

 

加えて、よろしければ

健康寿命にアブラが効く、も是非ご参照下さい。

 

体にいい!食べるアブラ 

 

 

 

そして、食物関連にて、もうひとつ。

砂漠の民・タラウマラ族が利用する

「チアシード」

についても言及しています。

彼らは、人間の限界を超えるような

距離を、ただ

楽しむためだけに

走るそうです。

そして、その過程では大量の水を

消費する訳でもなく、その土地で

とれた小さな種である

チアシードを食べるだけ、

らしいです。

 


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生活の木 スーパーフード 有機チアシード(100g)【生活の木】

 

これは液体と混ざるとゲル状に

なる事が知られており、そのおかげで

たくさんの水分を維持し、

ゆっくり吸収されるという

効果があるとされています!

こちらも面白い発見ですね。

ちなみに、我が家でも、

チアシードを料理に加える事で

タンパク質や

繊維質を補充出来るようにしています。

また、

自家製のお菓子にも使ったりと

幅広く活躍してくれています。

これからは、

水分補給という観点からも、

その価値を見直す事になりそうです。

 



 


からだ動かす事が、水分の補給になる? マイクロ・ムーブメントの効果?!

 

今回の本では、

身体全体を使って行う

「運動」ではなく、

身体の一部を小刻みに

動かす

「マイクロ・ムーブメント」

と定義して

身体に「水」を循環させる必要性

についての、とても興味深い

提言がなされています。

 

なにやら難しい作業なのでは?

そう感じるかも知れませんが、

首を左右にちょっとだけ動かす。

後ろ向くように、身体をひねる。

などなど。

実に簡単に取り入れられる

ものが、図とともに

いくつか説明されています。

「体がどうにも動きにくい」

というのは、十分に使わないで細胞老廃物が

蓄積し、炎症を起こすからだ。

〜中略〜

これまでは細胞内に水分を流し入れる事に

重点を置いてきた。ここでは、

細胞から、実際にはあらゆる組織から、

老廃物を流しだす水の力に焦点を

合わせたい。

正確にいえば、

水分補給には入れることだけでなく、

出すことも含まれる。

※「食べる水」が体をかえる 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

より引用。

 

なるほど、ですね。

新陳代謝(しんちんたいしゃ)

という言葉があります。

これは古くなった細胞を、

老廃物として排出し、

新しい細胞に置き換える、という

現象にも当てはまります。

そのために、

「水」の循環が必要である、

という主張と思われます。

 

さて最後になりますが。

マイクロ・ムーブメントのなかでも、

特に意外性がある、

「貧乏ゆすり」の

健康への効果についてご紹介しておきます。

 

Am J Prev Med. 2016 Feb;50(2):154-60. doi: 10.1016/j.amepre.2015.06.025. Epub 2015 Sep 23.

Sitting Time, Fidgeting, and All-Cause Mortality in the UK Women’s Cohort Study.

Hagger-Johnson G1, Gow AJ2, Burley V3, Greenwood D4, Cade JE3.

※pubmedのサイトへリンクします。

 

127,76名の英国人女性を対象に、

貧乏ゆすり、が

健康寿命に関係するかを調べた

真面目な臨床研究です。

結果、

貧乏ゆすりをあまりせず、

一日7時間以上座っていた女性は、

全死因死亡率が43%!も増加していたとの

結果が得られたそうです!

 

もうひとつ。

11名の若い男性を対象に、

3時間静かに座らせ、片足だけを

「貧乏ゆすり」

させた研究もあるそうです!

Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2016 Jul 1;311(1):H177-82. doi: 10.1152/ajpheart.00297.2016. Epub 2016 May 27.

Prolonged sitting-induced leg endothelial dysfunction is prevented by fidgeting.

Morishima T1, Restaino RM2, Walsh LK3, Kanaley JA3, Fadel PJ4, Padilla J5.

※pubmedのサイトへリンクします。

 

4分間隔で1分間の貧乏ゆすり、を

片足ずつ実施させる事で、

その、ゆすっている足の

血流が改善する一方で

反対の足の血流は悪化したとの

結果が得られたようです。

これにて研究者は、

「貧乏ゆすり」

には、長時間座る事による

健康への被害を防ぐ効果がある、

と結論付けています。

 

よく知られている、

「エコノミークラス症候群」

は長時間座っている事で、

足の血流が滞り、

血栓(血の塊)が出来てしまい、

それが肺の静脈を詰まらせてしまうという

恐ろしい病気とされています。

 

適度に水分を補給するだけでなく、

貧乏ゆすりをする事が、

「脱水関連の健康被害」

を予防する、極めて重要な鍵なのかも

知れませんね!

 

※デスクワークで、凝り固まった身体を、
貧乏ゆすりが、ほぐします!

 

 

まとめ

 

その体調不良、

かくれ脱水が原因かも?

自分でも脱水のチェックをしてみましょう!

 

清潔な水に加えて、よいアブラ、ある種の食材が

身体を脱水から守ってくれる可能性に注目です!

 

貧乏ゆすりは、

「健康長寿ゆすり」かも?!

座り仕事が多いかたは、

今日から早速、「貧乏ゆすり」を笑!

 

※今回は、貧乏ゆすり、をしながら記事を書きました!!

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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