鮭を食べるなら、養殖ではなく、天然の紅鮭を!

 

海洋汚染を考慮して、「天然の鮭」を選びましょう!

 

 

〜今回は、日本人の食生活に馴染み深い「鮭」について書いています〜

 

  • 動物性オメガ3脂肪酸(EPAやDHAなど)が健康維持、疾病予防に
    有効である事が分かってきています。
    そこで、魚をたくさん食べましょう!
    と言いたいところですが。。。
    実は、
    あまり意識していないと思われますが、
    今世界の海で、海洋汚染が進んでいるため、
    どんな魚を選ぶのが安全なのか?
    注意が必要と言えます。

 

  • 脂肪や他の栄養素が豊富で、なおかつ汚染による
    毒物の蓄積が少ないとされる
    天然の紅鮭は、オススメと言えます。
    また、一般に食物連鎖の上位にいる大きな魚、
    例えばマグロなどは
    メチル水銀やその他の環境有害物質
    による汚染度が高いため、
    イワシ、カタクチイワシ、ニシンなどの小魚を摂取する事が
    望ましいと考えられます。

 




魚自体の「健康状態」を意識しましょう!

 

河川に生まれた鮭は、

外洋で長い旅を終えて、

産卵のために生まれ故郷に戻ってきます。

 

 

 

荒波を乗り越えて、泳ぎ続ける生活を

送ってきた「天然の鮭」は

当然ながら、

檻に囲まれながら過ごす

運動不足の

「養殖の鮭」

に比較して、健康状態がよい事は

明らかですよね。

魚を

「食材」

として選ぶ際、

こうした基本的な点について

今一度意識したいものですね。

 




鮭に含まれる「栄養成分」の違いにも注目です。

 

先に述べました通り、

天然の鮭は海中を自由に泳ぎ、

自然界にあるものを、その

エサ

としています。

 

 

 

鮭が生きていく上で、

必須とされる

脂肪分、ミネラル、ビタミン、

アスタキサンチン(鮭のピンク色の主成分)

などの、

すべてが自然からのめぐみ、

である訳です。

 

 

 

その一方で、

養殖鮭は、

ほとんどが遺伝子組み換えからなる

コーンや大豆を

エサとしており、

人工着色料なども

飼料に含まれていると

されています。

そして、

こうした

エサ、

の違いは

食べた際の

味の違いはもちろん、

その赤身に含まれる

脂肪成分の組成自体に

著しく影響を及ぼす事も

分かっています。

天然鮭が、

オメガ6脂肪酸と比較して

約1000倍のオメガ3脂肪酸を含むのに

対して、

養殖鮭は、

オメガ3脂肪酸と

オメガ6脂肪酸の割合が

ほぼ均等とされています。

 

最先端の医学研究では、

オメガ3脂肪酸は

心臓血管系イベント(心筋梗塞や心不全など)の

発生リスクを抑えるのか?!

については、

未だ明確なエビデンスはなく

(2019年5月時点では)

非常に活発な議論が続いている最中ですが

よいアブラを摂る事の

健康寿命への効果、

については期待したいところです。

 

https://www.heart.org/en/healthy-living/healthy-eating/eat-smart/fats/fish-and-omega-3-fatty-acids

※American Heart Association のサイトにリンクします。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf

※脂質摂取に関する厚生労働省の見解へ、リンクします。

 

なお

アブラに関しては、以下の記事もご参考下さい。

体にいい!食べるアブラ 

 




深刻な、環境汚染。魚から、良質かつ安全なアブラは摂れるのか??

 

鮭に関して言えば、

養殖鮭の99%が、海中に

張り巡らされた網の中に

囲われています。。。

そこでは、

食べ残したえさや

排泄物が常に

そこに留まり続ける事に

なるわけです。

 

 

 

これらに汚染された

養殖鮭を

食べたいとは思いませんよね。。。

天然鮭の場合は、

ライフサイクルが

約3年程度という事からも

体内に水銀などの

有害な重金属の蓄積は

より少ないと考えれています。

また鮭の主なエサは

プランクトンや海藻などである

という点も重要と言えます。

 

マグロなどの

大型の魚の場合、

小さな魚を補食する事で、

有害物質が

生物濃縮

される事が知られています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E6%BF%83%E7%B8%AE

※生物濃縮の解説です。外部サイトにリンクします。

 

天然鮭は、

一般的には

他の魚を補食しないため

こうした

生物濃縮リスクは

極めて少ないと

考えられます。

この視点からは、

イワシや、ニシンなど

ライフ・サイクルが短く

生物濃縮が起こりにくい

小型の魚が

同様にオススメと

思われます。

 

我々日本人の多くは、

お寿司が

好きな方が多い。

そのように感じております。

 

 

 

 

しかし、

残念な事に、

栄養分(タンパク質、脂肪分)として常に安全なのか?

これを意識しなくては

ならない時代に

生きていると言えます。

 

天然なのか、養殖なのか?

生物濃縮は大丈夫なのか?

 

ちょっぴり面倒ですが、

魚を食べる際には、

これらに注意してみて下さい。

 

参考文献)

The fish or the egg: Maternal transfer and subcellular partitioning of mercury and selenium in Yellow Perch (Perca flavescens).

Khadra M, Caron A, Planas D, Ponton DE, Rosabal M, Amyot M.

Mercury health risk assessment among a young adult Lebanese population.

Obeid PJ, Fares SA, Farhat GN, El-Khoury B, Nassif RM, El-Nakat J, Dhaini HR.

 




石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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