加湿器で肺炎?!にご用心

「加湿器」の水に発生した「カビ」で肺炎に。。。

 

 

 

 

特に寒い季節には

空気が乾燥するため、

風邪の予防に、

「加湿器」

日常的にお使いの方も

多いかと思われます。

 

正しく使えば、

もちろん空気の湿度が維持され

気道粘膜の保護に有効な

「加湿器」ではありますが、

実は、ある事に注意しないと

重大な健康被害を及ぼす危険があります。。。

これは、

現役医師としては

見過ごす訳にはいきません!

 



 

今回は、

わたしたちの生活に

すっかり溶け込んでいる

「加湿器」

をテーマに

あらためて

「健康長寿のための

正しい加湿器の使い方」

をお伝えしたいと思います。

 



 


「加湿器」内のでカンジダ菌(カビの一種) が繁殖!し

「過敏性肺炎;かびんせいはいえん」に!!

 

 2017 Nov 15;56(22):3109-3112. doi: 10.2169/internalmedicine.9055-17. Epub 2017 Sep 25.

Hypersensitivity Pneumonitis Caused by a Home Ultrasonic Humidifier Contaminated with Candida guilliermondii.

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

上記の医学論文は、

日本発の症例報告(しょうれいほうこく)です。

 

簡単に説明しますと、

日本人のある若い女性が、

加湿器内に発生した

カンジタ菌が原因で、

※クリックで外部サイトへリンクします。

過敏性肺炎に罹患した、

※日本呼吸器学会のサイトへリンクします。

との報告です。

 

上記のサイトの

解説にもある通り、

過敏性肺炎は、

ある特定の抗原(こうげん)

※クリックで外部サイトへリンクします。

に対する、

人体のアレルギー反応が

原因とされています。

 



 

われわれ医師は、

肺炎症状を繰り返す方が、

ある抗原(今回の場合は

加湿器由来のカビ)

を吸入しなくなると

肺炎が治まる、

という観察結果から

「過敏性肺炎」の

診断を疑うよう

医学部時代、

研修医の期間に

訓練を受けます。

 

入院すると

ほどなく症状が軽減するのに、

自宅や職場に戻ると

肺炎症状をぶり返す。

 

今回の加湿器以外にも、

掃除の行き届いていない

エアコン内部のホコリや

ある職場特有の

環境汚染物質、も

過敏性肺炎の原因に

なり得ます。

 

※カビは、家の中の湿気が大好き。。。

 



 

調べてみますと、

「加湿器」には、

  1. スチーム式
  2. 気化式
  3. 超音波式
  4. ハイブリッド式

の大きく分けて

4種類があるようです。

 

スチームは

水を加熱することで

得られる水蒸気によって

加湿する方式です。

 

気化は、水に空気を

送ることで、自然に近い形で

水を蒸発させて加湿

をはかる方式です。

 

更にハイブリッドは、

上記のふたつの方式

(スチームと気化)の

融合になります。

 

さて、最後に

「超音波式」ですが。

これが最も、

「過敏性肺炎」発症の

原因になりやすいと

されています。

 



 

超音波式とは、

水に超音波振動を

与えて、細かい粒子にして

空気中に放出し

加湿をはかる方式

とされています。

少ない消費電力で済み

またポットのように

水を加熱する部位が

必要ないため、

小さなタンクを持つ

可愛らしいデザインの

加湿器が多い印象です。

 

 

 

しかし、

この「加熱しない水」

をタンクに溜める

という方式こそが、

カビの生育に繋がる

極めて危険な使用環境に

なってしまっている訳です。。。

 

つまりは、

一回使用したら、

必ず本体容器を乾燥させる、

という一手間をかける事が

とても大切なのです!

 

 

 

つい面倒だから、と

水の残った容器に

更に水をつぎ足して使う事で

間違いなく、カビの

繁殖に繋がり、

ひいてはその「カビ」を

部屋中にまき散らすことに

なると考えられます。。。

 



先の医学論文の

過敏性肺炎を患った

若い日本人女性も、

「加湿器の手入れ」を

怠っていた可能性があるのでは?

そのように思ってしまいますね。

 

 

 

 

 


細心の注意を払って、「USB卓上加湿器」を使ってみた!

 

以上、

「超音波式」の

加湿器は怖い。。。

と書きましたが、

なにに気をつければよいか、

を理解して使用すれば、

「超音波式」の

加湿器でも大丈夫では?

と思いまして。

ある雑誌の付録の、

「USB卓上加湿器」

を試してみる事にしました。

 

 

これは、

水の入ったコップに

「超音波式加湿器」

であるプラスチック製の

リングを浮かべる、という

面白いアイディアの製品です。

 



 

これですと、

タンクに溜まった水を

使う事はありませんね。

また煮沸した、

無菌状態の水を使えば

カビや細菌を

空気中にまき散らす可能性は

ほぼ皆無と言えます。

また本体をしっかり

ふきとって、乾燥させるのにも

ほとんど手間がかかりません。

 

 

 

わたしは、

上の写真の通り、

携帯用のUSB製品用蓄電池

と接続する事で、

電源いらずで

この加湿器を稼働させてみました。

こうした手軽さが

USB卓上加湿器の

アピール・ポイント

なのでしょうね。

 



 

さすがに、

加湿のパワーは今ひとつですが。。。

それでも、

「モクモクと」吹き出す

水蒸気を眺めていると

なんだかとても

癒された気分になりました。

 

 

 

 

一般的な

コーヒーカップで

おおよそ

3時間程度は

継続利用が出来ました。

 

そして、

わずかに残った

コップの水を捨てて、

本体をよく拭き取って

おしまい!としました。

 

以上、

あくまで、

「加湿器を使った気分になれる」

という位置づけの

アイテムではありますが、

(一応カップ一杯分の水で部屋が加湿されます)

少なくとも、

繰り返し使ったとしても

過敏性肺炎、のリスクは

非常に少ないだろうな

と思った次第です。

 

お付き合いいただき、

ありがとうございました。

「加湿器」は、

ただしく使って、

是非、冬場の乾燥対策、

感染対策に

役立てて下さい!

 

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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