人参(にんじん)ジュースは、癌(ガン)に効く?を考えてみた。

「ニンジン」ジュースは、大腸ガンの予防になるか??

 

 

世間には、

○○が、ガンの予防になる!

▲▲が、ガンに効く!

という情報が溢れているように

見受けられます。

 




 

 

今回は、ふと目にした

「にんじんジュース」が大腸癌の予防になる、

という記事を取り上げる事にします。

 

 

 

ある「健康食品」や「食材」に、

ガンの予防や治療効果はあるのか?

この情報は信頼できるのか?

試してみる価値はあるのか?

 

これらを見極めるうえで、

とてもよいトレーニングになるかと思い

以下、まとめてみました。

 



 

 

 


医学論文を調べてみた!

 

 

 

医学博士である私としては、

その情報に関連した

「学術論文」は存在しているのか?

という点から、まずはアプローチします。

 

※英語サイトの活用方法になりますので、ご面倒であれば

読み飛ばして頂いて結構です。このような手順で、

情報の信憑性を評価している事を、紹介するための記述です。

 

ニンジンの大腸ガン予防については、

どうやら

Falcarinol(ファルカリノール)

※クリックで用語解説にリンクです(英語表記)

と呼ばれる成分が、注目されている事が

分かりました。

そこで、世界中の科学者・研究者に利用されている

データ・ベースである

NCBIのサイト

を訪問します。そこで、更に論文検索サイト

Pubmed

のページを開きます。

そしてこちらの検索ワードに、

Falcarinol」と「cancer」と複合検索をかけます。

 

結果、いくつもの論文報告がある事が分かりました。

以下、この条件で検索した上位3つの論文になります。

これらは、発表年次順、であり

それぞれを比較して、どれが優れている、という事を

議論するためではありません。

 

Devil’s Club Falcarinol-Type Polyacetylenes Inhibit Pancreatic Cancer Cell Proliferation.

Cheung SSC, Hasman D, Khelifi D, Tai J, Smith RW, Warnock GL.

Nutr Cancer. 2019;71(2):301-311. doi: 10.1080/01635581.2018.1559931. Epub 2019 Jan 19.

 

Effect of the dietary polyacetylenes falcarinol and falcarindiol on the gut microbiota composition in a rat model of colorectal cancer.

Kobaek-Larsen M, Nielsen DS, Kot W, Krych Ł, Christensen LP, Baatrup G.

BMC Res Notes. 2018 Jun 27;11(1):411. doi: 10.1186/s13104-018-3527-y.

 

Panaxynol, a natural Hsp90 inhibitor, effectively targets both lung cancer stem and non-stem cells.

Le HT, Nguyen HT, Min HY, Hyun SY, Kwon S, Lee Y, Le THV, Lee J, Park JH, Lee HY.

Cancer Lett. 2018 Jan 1;412:297-307

 

私としては、

2018年度や、2019年度と

ここ1-2年の間にも、

このテーマで、研究論文が次々に発表されている

という点にまずは着目します。

 

理由は

少なくとも、何十年も前に話題にはなったが

最近は、誰も見向きもしない。。。

新しい発見や成果が報告されていない。。。

といった状況にはない事が確認できるからです。

 

※学会などで、活発な議論があるテーマなのか?

 

どうやら、

この「Falcarinol」に関しては、

最新の研究が続けられている分野

と考えてよさそうです。

 

それぞれを、もう少し詳しく見ていきますと、

いずれも「動物実験」や「細胞を使っての実験」

である事が分かりました。

 

 

 

 

残念ながら、我々人間を対象として、

大規模な臨床研究(りんしょうけんきゅう)を通しての

「ニンジンの大腸ガン予防・治療効果」

の報告は、私の調べた限りでは、

見あたりませんでした。

つまりは、

ニンジンジュースを、

どのぐらいの量で、

どれぐらいの期間続けると

大腸ガンの予防や治療に

有効なのか?

に関しての

臨床でのエビデンス(証明)は、

存在しない事になります。

 

 

しかし、基礎的な研究とは言え、

殺菌効果が知られている

Falcarinol(ファルカリノール)

には、腸内で抗炎症作用(炎症を抑える効果)

だけではなく、腸内細菌フローラに

なんらかの影響を与えて、ガンの進展を

予防している可能性がある、との

指摘はとても注目に値すると言えます。

 

※腸内フローラってなに?は以下をどうぞ。

今話題の腸活。自宅で、「腸内フローラ」検査をやってみた!

 

さらには、この

Falcarinol(ファルカリノール)

は、抗がん剤の成分にもなり得る可能性を

秘めているという点も、

大変興味深いです。

 

そもそもが、

ニンジン自身が、根を土壌内の細菌から

守るために生成しているとされる

Falcarinol(ファルカリノール)

しかも、我々は、

口から摂取しようと思えば

ニンジンからしか摂取できない、

とされています。

βカロテン、の効果が有名な

ニンジンですが、

Falcarinol(ファルカリノール)

の持つ、

ガンと闘うパワーにも

大いに期待したいところですね。

 

 

 

 


結局は、どうなのか? 私がもし診察室で聞かれたら、こう答えます。

 

さて、今回のテーマの結論ですが。

わたしは、以下のようにお答えしたいと思います。

 

 

 

 

「確かに、基礎研究では、

ニンジンに含まれる

殺菌成分である

Falcarinol(ファルカリノール)

ガン細胞の増殖を直接抑えたり、

腸内のバランスを整える事で、ガンの

発生を予防したりする可能性が

報告されています。

そして、

ニンジン・ジュースをガンの治療として試された

個人の体験談なども

ある程度は参考になるでしょう。

 

 

 

 

ただし、

人の身体は複雑で、

また人によって、食事や

健康食品の効果の現れ方は

千差万別と言えます。

 

是非、

こうした点にご配慮いただき、

無理のない範囲で

(まずは普段の食事に、ニンジンジュースを加える程度で)

試してみて下さい。

もし、かえって不調を感じるなら

ちょっと休んで

様子をみて下さい」

という感じになります。

 

 

 

 

 

そんなのは

民間療法であり、

都市伝説のようなものである。

自己責任でやって下さい、

という医師もいらっしゃるかも

知れません。

 

私としては、

不安で、病気について調べたい、

知りたい、という

方の思いに寄り添いながら、

現役医師として、

医学博士として

なるべく中立の立場から、

情報を精査してみたい。

その結果にもとずいて、

分かりやすくお話していきたい。

更には、こうした

自分メディアで、

発信していきたい。

そのように思っています。

 

どういう立場の人が、

どういう情報をもとに、

ある「健康法」や

「健康食品」

をオススメしているのか?

これからは、

少しでも、それを調べようと

ひと手間かけてみて下さい。

 

今回は、

わたしの情報収集方法、

解釈の仕方、

そうした調査に基づいた

(診察室でお話する状況を想定した)

わかりやすい説明、

について書いてみたつもりです。

わたしのサイトでは、

すべてこの理念によって記事を書いております。

 

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お読みいただき、ありがとうございました。

 

石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭

現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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