先日、
親子で岐阜市・ふれあい農園にて
「ブロッコリー」
の収穫体験を
楽しませてもらいました!
寒くなる11月ごろが
もっとも「旬」であるとされている
ブロッコリー。
今回は、この収穫体験を通して、
「野菜の旬を知る事」
「病気と戦う!ブロッコリーの持つ凄いパワー!!」
「医者目線では、どういう食べ方がよいの?」
について、
学術論文も紹介しながら、
書いてみますので、
どうぞ、ゆっくりお読み下さい。
野菜の旬を知る、「ブロッコリー」の収穫体験!
今回も、
地元新鮮野菜の
収穫体験にて、
「岐阜市ふれあい農園」
にお邪魔しました。
安全・安心にこだわった
特産農産品である
の収穫で、ワクワク!です。
※クリックで外部サイトへリンクします。
好天に恵まれた
晩秋の里山の景観を
眺めながら、
スタッフの方の
指導を受けて、
ブロッコリー畑を目指します。
ひと家族あたり、
8個まで収穫してよい、
との決まりでしたが、
わたしは、
スーパーマーケットで見慣れている
ブロッコリーをイメージしていたので、
そんなにたくさんの量では
ないのでは?
と思っていました。
しかし。。。
実際に、
葉に囲まれた中央に
鎮座する
巨大なブロッコリーを
目にして、
「このひと玉を8個?!」
と、予想を裏切られる事になりました。
写真に示すとおり、
おとなの手のひらのサイズを
こえる「ブロッコリー」本体?を
渡された「鎌:かま」で
切断しているところです。
*切断面
切り取るには、
結構な力が必要で、
子供達の作業は手伝ってやりました。
なんと、
幼稚園児の
次男のあたまと同じぐらいの
大きさのブロッコリーが収穫できました!
リンゴや、みかん、と
比較しても、
その大きさが伝わるかと思います。
これを8個!も
収穫させて頂きましたので、
ご近所や、両親の家庭に
おすそわけ、
しました。
野菜には、
もっとも美味しいとされる
「旬」があります。
「食育」
という言葉もある通り、
実際に、農園に出向いて
四季折々の
野菜や果物を
収穫体験する事は、
子供達の感性を養う上でも
とても大切だと思っています。
*関連記事です。
お父さんとしては、
今回の寒い季節の
ブロッコリー収穫も
息子達にとって
よい思い出になれば、と願う次第です。
注目される、ブロッコリーの「抗酸化物質」・スルフォラファンとは?
続きましては。
少し視点を変えて、
「ブロッコリー」の持つ
栄養成分について、
お伝えし致します。
ブロッコリーは、
ビタミンCが
非常に豊富な野菜として
よく知られています。
そして、
特に最近、
スルフォラファン
と呼ばれる
「抗酸化:こうさんか」成分が
注目されています。
Antioxidant properties of green broccoli and purple-sprouting broccoli under different cooking conditions
Bioscience Horizons: The International Journal of Student Research, Volume 5, 2012, hzs004, https://doi.org/10.1093/biohorizons/hzs004https://academic.oup.com/biohorizons/article/doi/10.1093/biohorizons/hzs004/220345
やや専門的で恐縮ですが、
我々の体内は、
活性酸素(かっせいさんそ)
による「酸化」活動と、
それから身体の細胞自身を防御する
「抗酸化」活動が、
うまくバランスを取りながら
共存しているとされています。
つまりは、
生体維持にとって、どちらとも
とても重要であるわけです。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html
※厚生労働省の情報サイトにリンクします。詳しく知りたい方はクリック!
しかし現代は、
どちらかと言うと
不規則な生活習慣、
ストレス、
環境汚染物質、などが誘引で
酸化過剰、つまりは
「酸化ストレス」
に苛まれていると考えられます。
これらは
老化であったり、
糖尿病などの
生活習慣病の発症と
深く関わっている事が知られており、
ビタミンを豊富に含む
野菜を摂る事は、
酸化ストレスから身を守る!
病気と戦う!
助けになり得ます。
※抗酸化、についての関連記事です。
(参考文献)
Oxid Med Cell Longev. 2019 Oct 14;2019:2716870. doi: 10.1155/2019/2716870. eCollection 2019.Sulforaphane: Its “Coming of Age” as a Clinically Relevant Nutraceutical in the Prevention and Treatment of Chronic Disease.
Houghton CA1,2.
Molecules. 2019 Oct 6;24(19). pii: E3593. doi: 10.3390/molecules24193593.Broccoli or Sulforaphane: Is It the Source or Dose That Matters?
Yagishita Y1, Fahey JW2,3,4, Dinkova-Kostova AT5,6,7, Kensler TW8,9.
スルオファランには
サプリメント
もあるようですが。
今回の記事に
あるとおり、
是非とも
農園で直接収穫させて頂いた
新鮮野菜から
摂りたいものですね!
ブロッコリーの食べ方、保存方法など
最後に、
医学的見地からみた、
ブロッコリーの調理法、
について考察します。
もちろん、
美味しい食べ方、の
レシピを参考に
ブロッコリーを召し上がっていただけば
よい訳ですが。
ここでは
「抗酸化物質をいかに効率よく摂取するか?」
に注目してみます。
上図はopen access 誌(ネット閲覧自由形式の科学雑誌)
Antioxidant properties of green broccoli and purple-sprouting broccoli under different cooking conditions より引用です。クリックで拡大表示。
上に示した研究論文では、
わずか5分程度、
ゆでる処理、
あるいは
電子レンジによる
加熱処理
をしただけで、
ビタミンCは半分以下まで
減少している事が分かります。
上図はopen access 誌(ネット閲覧自由形式の科学雑誌)
Antioxidant properties of green broccoli and purple-sprouting broccoli under different cooking conditions より引用です。クリックで拡大表示。
その一方で、
興味深いことに、
「抗酸化成分」は
これらの加熱処理で、
特に、最初の5分以内であれば
増えている
結果が示されました。
これについて、
研究者たちは、
調理(加熱)処理によって、
これに反応した細胞内で
抗酸化物質の生合成が促進されたのでは?
と考察しています。
切り取られても、
新鮮な間は、
野菜の細胞は生きているんでしょうね。
非常に面白い現象ですね。
ただし、これらは
ブロッコリーの生育された環境や
実際にはより複雑な
調理工程による影響も合わせて
考える必要があるとしており、
結論を急いでいません。
これは科学者として
とても誠実な姿勢であると
思われました。
以上をまとめまして
豊富なビタミンCを
期待して
「生で食べる」
あるいは、
抗酸化成分が
ゆでた際に使うお湯に
流れでないよう、
ごく短時間だけ
「蒸して食べる」
などが、
味つけはさておいて、
現役医師目線では
オススメの食べ方!
としておきましょう。
さて、上の写真は、
なんだかご存じでしょうか?
野菜の成長線を壊して
生育を阻止する
つまりは鮮度を保つという
裏技です。
※妻に教えてもらいました。
これに効果があるとするならば
やはり、野菜は
切り取られてからも
生きている、という
先の研究論文と
同じメッセージが
感じられますね。
爪楊枝、を使っていますが、
市販の製品を
使ってもよいでしょう。
新鮮な野菜を
少しでも長持ちさせて
頂きたいものですね。
いかがでしたでしょうか?
寒い季節、
風邪の予防にも
新鮮なブロッコリーをいただきましょう!
およみいただき、
誠にありがとうございました。
現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。 ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。