ビタミンDが免疫力を高める?!について、現役医師として伝えたいこと

みなさま、こんにちは!

健康長寿増進に効く

をモットーに

現役医師が

運営する本サイト。

 

今回は、以下のテーマでお届け致します。

 

 

◎そもそも「免疫力」は

単一の方法で高められるのか??

 

◎ビタミンDが「免疫力を高める?!」を検証する

 

◎血液中の「ビタミンD濃度」

を高めるには??

 

◎ビタミンD・サプリメント

を飲む際の注意点

 

 



 

 

 

 


そもそも「免疫力」は

単一の方法で高められるのか??

 

 

新型コロナ・ウイルス感染症

との戦いが続く毎日。。。

そんな今、

メディアやSNSなどで

「免疫力を高める!」

という表現を

とてもよく見かけますよね。

 

 

ラッキーエースさんによる写真ACからの写真  

 

細菌やウイルスの

体内への侵入や

ガン細胞の増殖から

身体を守るために、

確かに

「免疫が正しく作用」

している状態が

理想と言えます。

 

しかし、

ごく当たり前ですが、

「免疫」は

ある個人の体内に

それ単独で存在する

メカニズムではなく、

そのヒトの、

マインドセット(思考様式)

食生活、

日々の生活リズム、

などと

密接に関わって

いるわけです。

 

うつ、などで

気が滅入っている人は

身体の不調も感じやすいと

されており、

暴飲暴食や

偏食の人も

同じように

病気に罹りやすいと

思われます。

そして、過労による

ストレス、睡眠不足も

間違いなく

心身双方の

病気に罹るリスク

と言えます。

 

 

 

 

 

つまりは、

「免疫力」とは

すなわち

我々の日々の生き方に

大いに影響される

病気に対抗する

「総合力」である、

と換言されます。

 

 

 

 

 

というわけで、

まずは、

「○○で免疫力を高める!!」

というような

単一の商品をススメルような

いわゆる宣伝文句に

すぐに飛びつかないよう、

注意して頂きたいと思います。

 

逆に

「▲▲で、免疫力が弱まる、、、」

は、先に述べました通り

例えば、

睡眠不足、心身ストレス、偏食、

などなど。

様々な危険因子が

判明しています。

 

やや前置きが長くなり

恐縮ですが。

「免疫学」で

医学博士号をとった

私のこだわり、として

どうぞご理解下さい。

 

それでは、

上記の内容を頭に留めて

いただきながら、

ご存じの方も

いらっしゃると思われる

最近注目の

ビタミンDと免疫力を

テーマとした研究成果を

紹介したいと

思います。

 



 

 


ビタミンDが「免疫力を高める?!」を検証する

 

 

以下は

2020年4月に

出版された

最新の医学研究論文です!

 

 2020 Apr 2;12(4). pii: E988. doi: 10.3390/nu12040988.

Evidence that Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths.

Grant WB1, Lahore H2, McDonnell SL3, Baggerly CA3, French CB3, Aliano JL3, Bhattoa HP4.

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

これは、

ビタミンDを補充する事で、

インフルエンザの発症や

新型コロナの感染

ならびに死亡の

危険性を減弱しうる、

という大変興味深い報告です。

 

執筆者によりますと、

一昨年の冬に

コロナ感染が拡大したのは

冬場で血液中の25(OH)D

25-ヒドロキシビタミンD濃度

<肝臓で代謝されたビタミンD、

体内のビタミンD欠乏の指標です>

が最も低い時期であったから

との見解を述べています。

 

人の身体は

日光を浴びる事で

※クリックで外部サイトへリンクします。

皮膚でビタミンDが

合成されます。

 

 

 

 

 

従って、

日照時間の短い冬は

確かに体内の25(OH)Dは

夏場に比べて少なくなります。

 

更に、この論文では

南半球の国々で

比較的、

コロナ感染患者数が

少なかった理由として

「季節が夏の終わりであったから」

との仮説を示しています。

必ずしも、彼らの学説が

全てを説明するとは

思えませんが、

興味深い指摘ではあります。

 



 

 

やや専門的ですが、

ビタミンDが、

コロナ感染で、

致命傷となり得る「肺炎」

を引き起こす、

サイトカインの作用を

抑えるとの知見も

紹介されています。

 

現在、

サイトカインストーム

※クリックで外部サイトへリンクします。

呼ばれる免疫現象が

コロナ肺炎の治療のターゲット

として非常に注目されています。

 

どうやら

「ビタミンD」

が身体に充足している事は

免疫が正しく作用するために

極めて重要である

と考えてよさそうです!

 

 

では、続きまして

ビタミンDが

欠乏しないように

どうすればよいか?

 

これに関しても

一緒に

文献も参照しながら

考えてみましょう!

 



 

 


血液中の「ビタミンD濃度」を高めるには??

 

普段、

自分自身が

充分なビタミンD濃度を

維持出来ているか?

あまり意識する事は

ないかも知れませんが。

 

厚生労働省

※クリックで外部サイトへリンクします。

サイトによりますと、

骨の健康を維持するために、

20ng/mL以上が

理想的との事です。

 

そして、

ビタミンD濃度を

高めるためには、

大きく分けて

食品からの摂取、

日光浴、

そして

サプリメント

という方法があります。

 

調べてみますと

※クリックで外部サイトへリンクします。

ビタミンDを多く含む食材は、

キノコ類や

魚介類のようです。

是非意識して

多く摂るようにしましょう!

 

 

 

 

 

※関連記事、健康に良い「魚」の選び方です。

鮭を食べるなら、養殖ではなく、天然の紅鮭を!

 

 

 

日光浴で

紫外線にあたる事でも

ビタミンDは

合成されますが、

それだけでは

充分量に達しない事も

医学研究にて報告があります。

 

 

J Korean Med Sci. 2020 Mar 2;35(8):e50. doi: 10.3346/jkms.2020.35.e50.

Can Current Recommendations on Sun Exposure Sufficiently Increase Serum Vitamin D Level?: One-Month Randomized Clinical Trial.

Lee YM1Kim SA2,3Lee DH1,4.

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

 

 

また、

長時間、紫外線に

さらされる事は

皮膚の病気の発生の

危険性があると

考えられます。

 

※関連記事、日焼け対策について知ろう!

2019年、日焼け止めの最前線。飲む日焼け止めって効くの??

 

 

となりますと、

手軽にビタミンDを

摂る事が出来る、

サプリメントは

どうなのですか??

との質問を受けそうですね。

 

では、最後に

現役医師として

ビタミンDサプリメントの効果と

副作用、注意点について

お伝えして

締めくくる事に致します。

 



 

 


ビタミンD・サプリメント
を飲む際の注意点

 

結論から

申し上げますと。

 

ビタミンD不足の

食生活、

(あまり日に当たらないなどの)

日常生活を

送っている方が

ごく短期間に

ビタミンD濃度を高める、

つまりは

免疫が正常に作用する

環境を整えるために

一定期間だけ

ビタミンDサプリメントを活用する

というのは

医学的には許容されると

考えられます。

 

 

 

 

 

 

実際、

一度に大量に

ビタミンDのサプリメントを

服用しても、

特に健康上に有害ではない、

との見解を示す論文も

散見されます。

 

J Clin Endocrinol Metab. 2020 Apr 1;105(4). pii: dgz212. doi: 10.1210/clinem/dgz212.

Safety of High-Dose Vitamin D Supplementation: Secondary Analysis of a Randomized Controlled Trial.

Billington EO1, Burt LA1, Rose MS2, Davison EM1, Gaudet S1, Kan M1, Boyd SK1, Hanley DA1.

 

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

ただし。

 

ご高齢の方や、

腎臓の持病をお持ちの方、

カルシウムを含む

薬やサプリメントも

同時に飲まれる方は、

「高カルシウム血症」による

※クリックで外部サイトへリンクします。

急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)

※クリックで外部サイトへリンクします。

で入院治療が必要になる

危険性があります!!

 

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

 

私自身も

日々の診療で、

骨粗鬆症の治療として

ビタミンD製剤を

処方されていた

ご高齢の方が

「高カルシウム血症」で

緊急入院した事例を

数多く経験しています。

 

 

 

 

ご参考までに、

高カルシウム血症の

初期の症状が

「吐き気」や「食欲不振」

である事は

知っておくとよいでしょう。

 

 

 

 



 

 

 


今回のまとめです

 

ここまで

お付き合いいただき、

ありがとうございました!

 

最新の研究論文に

一通り目を通した結果、

ビタミンDが不足する事で

「免疫力が弱まる」

可能性が高い。。。

と考えてよさそうです。

 

従って、

日々の生活において

適度な日光浴や

ビタミンDを含む食生活を

心がけると良いでしょう。

 

 

 

 

前回の記事でも

お伝えしましたが。

やはり、

体内時計のリズムを

整える規則正しい生活、

サーカディアンリズム

※クリックで外部サイトへリンクします。

意識した生活は

ビタミンD合成を

高める事も分かっています。

 

Sci Rep. 2020; 10: 4168.
Published online 2020 Mar 6. doi: 10.1038/s41598-020-61061-8

Relationship between Sleep Duration, Sun Exposure, and Serum 25-Hydroxyvitamin D Status: A Cross-sectional Study

Ji Ho Choi,1 Bora Lee,2 Jae Yong Lee,1 Chang-Hoon Kim,3 Bumhee Park,4,5 Dong
Young Kim,6 Hyun Jun Kim,6and Do-Yang Parkcorresponding author6,7

 

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

 

※関連記事です。

時間栄養学から見た、”朝食抜きダイエット”の功罪

 

 

 

それが難しい方は

サプリメントに

頼るのもありですが、、、

持病をお持ちの方は

かかりつけ医師にも

相談するように。

 

特に高カルシウム血症という

副作用にも

充分に注意するよう

お願い申し上げます。

 

繰り返しますが、

「免疫力」には、

生き方全てが

関わってくる

 

シンプルなこの事実を

是非ともお伝えしたいです。

 

 

※関連記事・規則正しい生活こそが、
心身の健康に最も大切です!!

現役医師が実践している、パンデミック下の「心の健康」の保ち方

 

 

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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