映画で学ぶ、迫り来る戦争。。。

映画

ヒトラーに屈しなかった国王

をDVDにて鑑賞。

 

北欧の小国、ノルウェーが、どのような経緯を辿って戦争に

突入していったのか。当時の国王・ホーコン7世を中心に

丁寧に描かれた秀作。

当時、ヨーロッパ全土を席巻する勢いの、ナチス・ドイツ帝国。

フランス・イギリスの支配を目論む、ナチスにとってノルウェーは

その足がかりとされ、用意周到に侵攻の計画が進められていました。

戦争映画ですが、派手な戦闘シーンで魅せる感じではなく、

士官や兵士の一人称の視点で、極限状態で、どのように判断し、

行動したのか、それをじっくり描こうとする姿勢が伝わる展開でした。

ノルウェーの海岸警備にあたる一兵卒が、そう遠くない距離に、

突如出現した、巨大な戦艦のシルエット。。。

サーチライトで照らされた先には、見間違うことのないドイツの戦艦が

悠然と曳航していました。

明らかな領海侵犯。これを、このまま見過ごすのか?

軍司令部に、攻撃の許可を取るのか?

その時点で、戦争関係になっていない、ドイツに対して、

こちらか仕掛けた場合、開戦の口実にならないか?

海岸要塞の責任将校は、これらの判断を一瞬、刹那で行う必要があります。

まさに手に汗にぎる場面。

ドイツ側も、もちろん知っての挑発行為。

国家をあずかるものとしては、そもそもこういう状況にしないための

政治はもちろん、海岸線遠くに機雷を浮かべて、近海に寄せ付けない、などの

防衛策が必須と言えます。

結果、苦渋の決断で、戦艦を撃沈したノルウェーは、ナチスの思惑どおり、

ドイツとの戦争に引きずり込まれていきます。

それでも、必死に戦争回避を試みる、駐ノルウェードイツ外交官や

議会から、政治的決断を委譲されそうになっても、

断固民主主義での解決を主張し、独裁を否定した、国王。

彼らの勇気ある行動にも、心を揺さぶられます。

是非、本編ご覧いただきたいです。

EUを離脱するイギリス、極右政党の躍進が取りざたされる欧州諸国。

こうした映画を見ると、今また国家の利害が対立し、遠くない将来の

戦争の火種になるのでは、とちょっと心配になりますね。

世界の出来事にも、日々関心をもって過ごしましょう!