「健康になりましょう!」という働きかけについて、現役医師が考えた。

「健康無関心層」に、外部からの働きかけは有効か?

 

 

わたしの

「健康長寿ブログ」

をご覧下さっている方は、

初めてのご訪問の方でも、

リピーターの方でも、

少なからず

「健康」

といったものに関心がある事は

間違いないかと思われます。

 



 

しかし、

世の中には、いわゆる

「健康無関心層」に分類される方々も

いらっしゃる事は、

わたしとしても、

承知しておく必要があると

感じています。

 

また

健康無関心層

といっても、

なぜ、そういう状態になっているのか?

については、

いろいろな理由があるかと

想像されます。

 

まずは、

仕事に忙しくて、

健康診断を受ける暇が持てない。。。

付き合いも多く、食事を顧みる余裕がない。。。

休日でも、あまり身体を動かす習慣がない。。。

 

わたしも、多忙なお父さん世代であり

こうした事情は理解できますが、彼らは

健康維持のための、行動をとっていない

健康無関心層、である

という見方もあるのでは

ないでしょうか?

 

別の理由としては、

不規則な食事や生活習慣である事は

分かっていながらも、

経済的な理由で、

医療機関で検査を受けたり、

治療を受けたりする事が

困難な方もいらっしゃる訳です。

 

「健康の不平等」を生む社会のありよう、について考える。

 

彼らは、やむを得ずも

健康無関心層に

属している、と

考えられます。

 

更に別の理由としては、

テレビ、インターネットで

日々喧伝される

健康や、医療情報に対して

懐疑的であったり、

あるいは、

楽観的であったり

(健康に神経を遣いすぎる事は

かえって不健康なのでは?)と

今を楽しむライフスタイルを貫かれている

方もいらっしゃるかと

思われます。

(これは、これで尊重されるべきと考えます)

 

さて。

今回の「健康無関心層」という用語ですが、

実は以下にご紹介する、

健幸アンバサダー

なるサイトで見つけました。

 

健康無関心層の

ヘルス・リテラシー(健康情報を読み解く力)

を高め、行動変容につなげる。

これが、健幸アンバサダーに

課せられたミッションのようですが。

 

はたして

そのような「働きかけ」は果たして常に

有効なのか?

現役医師として、

ちょっと批判的に

考えてみたくなったわけです。

 

ご興味ある方は、

もうしばらくお付き合い下さい。

 




健幸アンバサダー、日本健康マスター検定、相次ぐ「健康啓発活動」

 

 

まずは

健康ではなく、

健幸、というネーミングが

凝っていますね。

 

https://www.ambassador.or.jp/

※健幸アンバサダーのサイトへリンクです。

 

そして

アンバサダー。

英単語としては

ambassador

で「大使」という意味ですが

 

公式サイトには

健康情報を大切な人に伝える伝道師(インフルエンサー)

と紹介されています。

そして、

まずは自分自身が健康で

いきいきと輝いている生活を目指しましょう

というメッセージには、

とても共感できます。

 

https://www.ambassador.or.jp/pdf/20190208_pamphlet.pdf

※健幸アンバサダー活動紹介についてのリンクです。

 

またこちらのサイトでは

全国民の

約70%が、

「健康無関心層」であるとの

データが示されていますが、

先にも述べました通り、

どんな理由で、

なにをもって

「健康無関心」に

分類されるのか、気になるところです。

 

例えば

やせたい!

と考えて、ダイエット法を

あれこれ試している方や

やや「美容」寄りではありますが

肌をキレイにしたい!

と化粧品などを試している方は、

健康無関心層では

ないようにも思われます。

 

わたしとしては、

健幸アンバサダーなる方には、

誤った健康情報や

健康被害につながるような

信頼性や安全性の低い

健康法、健康食品に

惑わされている

身近な人達を

救い出す。

是非、そういう使命感でも

活躍して欲しいと思います。

 

そして、もうひとつ。

日本健康マスター検定の合格者に

「健康マスター 」

の認定資格を与える

協会がある事も知りました。

https://kenken.or.jp/

※一般社団法人 日本健康生活推進協会のサイトへリンクします。

 

こちらも、

個人のヘルス・リテラシーの向上という

メリットを示しつつも、

更なる活躍の機会として

地域や、職場での

健康増進活動に

取り組む事ができるそうです。

 

現役医師としては、

各個人が、「健康リテラシー」を

高めて下さる事に、

もちろん賛成の立場です。

 

そもそも、

その目的で、

「健康長寿ブログ」

を運営しておりますので笑。

ただ、わたしも

「健康無関心層」の方に、

健康になりましょうという

メッセージのみで、

健康増進行動を促す事は

とても難しいだろうな、というのが

正直なところです。

 




行動経済学から考える、健康のための行動変容とは?

 

 

健康無関心層とは

対照的に、

世の中には

「健康オタク」

と呼ばれる人達も

一定数存在する訳です。

 

最新の健康法!という言葉が大好きで、

とにかく、試してみる。

そして、自分が良かったと思ったら、

すぐに人に勧める。

逆に、

他人の食生活について

過剰に干渉する。。。

 

健康情報に対して、

常に高いアンテナを張り巡らし、

即行動に移す姿勢は

評価できますが、

時に、彼らを

「おせっかい」笑

と感じる人もいらっしゃるように

思われます。

 

先の健幸アンバサダーの方や

健康マスターの方は、

情熱ある方が多いはずなので

是非このあたりの

バランス感覚も

持ち合わせて頂きたいなと

思う次第です。

 

われわれは

常に合理的な意思決定をしている

とは限らない。

この事を経済学と認知科学を統合して

解釈したモデル、

「行動経済学」で

ノーベル経済学賞を受賞された

ダニエル・カールマン氏。

 

医療や健康に対する

人の意思決定や、行動も、

この「行動経済学」的な考え方は

有効であるように思われます。

 

以下の本は、

「健康になりましょう」の

行動経済学について考える際に

とても参考になります。

 

 

 

 

 

 

 

わたしのサイトでは、

健康長寿のために、

マインドセット

食事

ライフスタイル

についての気付から

行動変容につなげてもらう

という事を常に考えています。

 

そして、

なるべく強制ではなく、

手間暇かけずに

今の生活にちょっとした工夫を

加えるだけでも、大丈夫ですよ。

というスタンスで、

医学論文などを参照、吟味し

自分も実践している内容を

お伝えするように

心掛けています。

もちろん、

しっかり取り組んでいただければ、

健康維持にお役立て頂けます。

 

 

現役医師という立場を利用すれば、

あれこれしないと

大変な病気になりますよ!

とにかく病院で検査を受けて下さい!

というスタイルで、

どちらかというと

不安や心配を喚起して

健康行動を促す事は、容易ではあります。

 

 




でもそれですと、

健康長寿のためのワクワク生活!

という看板のイメージに

合わないですし笑、

わざわざブログで工夫して

お話する意味もなくなると

考えています。

 

いかに

へえ、そんなのでいいなら

やってみようかな?

という行動に

移して頂けるか。

 

このブログを読んだ方が、

周りの方に、

これやってみて良かったよ〜

面白かったよ〜

と言って頂けるか。

 

現役医師が「はだし健康法」、グラウンディングを面白がってみた!

※これは、面白くてオススメです!

 

そして究極的には、

わたしが言うのなら

試してみようかな〜

というところを

目指していきたいです!!

(やや合理的判断に欠ける思い込み、認知バイアス;偏り

であり、まさに行動経済学的な姿勢でありますが笑)

 

おかげさまで?

このサイトを運営するようになって

食べ過ぎや

飲み過ぎ、

運動不足

といった事は、ほぼ解消されました。

 

言行一致でありたい、という

思考が、自然と

「健康増進行動」

に向かわせているんだろうな

と省察しています。

 

ややハードルが高いかも知れませんが、

自分自身の

「健康ブログを書こう!」

という行為も、

とても意味があるのかも知れませんね。

 

お読みいただき、

ありがとうございました。

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭

現役医師、医学博士。二児の父。
徳川幕府・直参旗本石川家末裔。

ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!
との信念からマインドセット、
食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

 

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