国内初!の「飲酒量低減薬」は禁酒の切り札となるか?

お酒、と上手くつき合っていきましょう!

 

 

※節度を守ってお酒を愉しみたいですね。

 

みなさんは、毎日ビールにお酒、

ワインなど。

アルコールを嗜まれるでしょうか?

酒は

「百薬の長」

いう言葉がある通り、

適度な飲酒を愉しむ事自体は、

完全に否定される

ものではないと思っています。

 

※職場では、飲みにケーションも時として大切。

 

 

しかし。

 

飲酒運転による

交通死亡事故や、

アルコール依存のため

平穏な

社会生活が送れない

方がいるなど、

「お酒」

に関しては、

考えて行くべき

様々な課題がある事も

事実でしょう。

 

※飲酒を強要してはいけません!

 

ワクワク健康長寿!

 

をポリシーに掲げる

現役医師として

今回は、

「アルコール」

の摂りすぎで

トラブルを起こす事が多く

お悩みの方。。。

 

 

「アルコール依存」

からの脱却を目ざし、

真剣に

禁酒に取り組もうとしている

方に向けてまして

「認知行動療法」や

国内初の、

「飲酒量低減薬」

 

※これからは、呑む前に、飲む?!の新習慣。

 

も紹介しながら

お役に立てればと思い

あれこれを

書いてみる事にします。

 



 

 


禁酒、に効くマインド・セット

 

2018年12月に

新アルコール・薬物使用障害の

診断治療ガイドラインに基づいた

アルコール依存症の診断治療の手引き

が発行されるに至りました。

http://www.j-arukanren.com/pdf/20190104_shin_al_yakubutsu_guide_tebiki.pdf

※上記ガイドラインへリンクします。

 

今回の改訂で

画期的

とされているのは

これまでは、

とにかく

「断酒!」

一辺倒であったのが、

軽度のアルコール依存

であれば、まずは

「飲む量を減らす」

ことをゴールにしてよい、

と明記された点と

されています。

また私としては、

アルコール依存の治療

の枠組みとして

「薬物治療」以外にも

「社会心理的治療」

が大切であると

記されている事が

興味深いと感じました。

 

アルコール依存に悩む

患者さん自身が

なぜ飲んでしまうのか?

いつ飲んでしまうのか?

これらについて

自ら考えて、

見直してもらう事で

生活様式まで含めて

改善を促す。

 

更に

アルコールを辞めて

心身がすっきりして

いきいきと

暮らしている姿を

イメージしてもらう。

 

こうした働きかけは

認知行動療法

として知られ、

様々な病気の改善に

効果が期待されています。

 

Dr.苫米地の脱洗脳禁煙術

Dr.苫米地の脱洗脳禁煙術

  • 作者:苫米地英人
  • 出版社:WAVE出版
  • 発売日: 2011年04月

 

苫米地博士の

「脱洗脳・禁煙術」は、

”たばこ”が辞められない、

”ニコチン中毒”

からの脱却のための

指南書ではありますが、

その他の依存、

もちろん

アルコール依存にも、

応用が可能であると思われます。

次章、

アルコールは

「脳内麻薬」

の原因なるという指摘でも

詳述しますが、

これを断ち切るための

「瞑想」のススメなど

興味深いアドバイスについても

書かれています。

ご興味あれば

是非、ご一読下さい。

 

※瞑想は、依存症からの離脱に一定の効果があるようです。

 



 

 


脳に効く?! 日本初の飲酒量低減薬とは?

 

では最後になりますが

禁酒のための

薬物療法について。

 

今回情報提供する、

国内初!

(※2019年3月執筆時点)

の「飲酒量低減薬」

を紹介するにあたり、

アルコールを過剰に欲しがる

脳の作用、

について、少し説明させて下さい。

 

脳内麻薬

脳内麻薬

  • 作者:中野信子
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日: 2014年01月

 

アルコールは、

脳に作用して、

ドーパミンと呼ばれる

神経伝達物質の分泌を

刺激すると

されています。

ドーパミンは、

快の感情、

あるいは意欲や活力

など深く関わっています。

ある行動で、

よい結果が得られた際、

それは、脳にとっては

「報酬」

と認知されます。

親から、何かを褒められた

子どもが、

ワクワクしながら、

もっと上手くやろう!

と取り組む事も、

このドーパミンの作用と言えます。

元気よく生きていくために

必須であるドーパミンですが、

ある意味

「脳内麻薬」

という側面がある事も事実です。

 

※脳が、快楽を感じるために「アルコール」を求め続ける。。。

 

 

麻薬は、

一度ハマル

と、なかなか

抜け出せないと

されていますよね。

それだけ

強い「快楽」

を脳が感じている証拠です。

 

お酒を飲む事は、

実にお手軽に

「ドーパミンの作用」

を享受できてしまうため、

この快楽を求めて

常にお酒が欲しくなる、、、

潜在的に

そういう状態を生み出す

リスクがあるわけです。

 

これが

アルコール依存

の正体です・・・

 

今回、承認された

「飲酒量低減薬」

ナルメフェン

この

脳内報酬系に

直接介入し、作用する事で、

飲酒への欲求を

減らす効果が

期待されています。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30485854

※ナルメフェンの医学論文です。pubmedのサイトへリンクします。

 

https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2019/20190108_1.html

※大塚製薬の製品情報サイトへリンクします。

 

薬剤の添付文書(説明書)

を読みますと

用法・用量として

飲酒の1-2時間前に

飲むように

と書かれています。

加えて、

お酒を飲む前に

薬を飲み忘れたら気付いた時点で

直ちに飲む事!

と追記されていました。

これは、

アルコールが、

「脳内麻薬」として

作用する濃度に達する前に、

薬の効果が発現する!

そのために

必要な服用方法なんだろうな、

と推察されますね。

なるほど、

面白そうな薬ではあります。

 

ただし、

もちろん副作用など

注意事項も多いので、

アルコール依存症に

熟練した医師と

よく相談の上、

服用を御判断頂きたい。

 

そのように

お願い致します。

 

※アルコール依存を熟知した専門医に処方してもらう事。

 



 

今後、

実際に、この薬を飲んで

「効果があった!」

「以前ほど、お酒を飲みたくなくなったかも・・・」

というような

個人の体験談などが

ブログで公開されるかも

知れませんね。

私も注目していきたいと

思っています。

 

 

 


 

まとめ

お酒の飲みすぎを

辞められない方へ。

 

アルコールは、時として

「脳内麻薬」

になり得ます。

自分の意志の力だけで

お酒の飲み過ぎを辞める事は

困難かもしれません。

認知行動療法を含む、カウンセリング

あるいは

専門医に相談して、

「飲酒量低減薬」を

試してみるのも

よいかもしれません。


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

 

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