コロナ感染拡大で、「病院受診を控える」に潜むリスクとは?

 

◉医療機関の受診を控えることによる、健康被害とは?

◉今から5年後、「ガン」患者さんの死亡率が増加する?!
という
恐ろしい予測があります。

自宅で出来る健診サービスとは?手軽に健康チェックは
アリですが、気になる症状があれば
必ず「受診」しましょう!

 


 

 



 

 

2020年、8月現在。

新型コロナに対する、

「新しい生活様式」が

日々叫ばれる状況において。

 

持病をお持ちで、

診療所や病院に通院する方の

なかにも、

「感染リスク」を恐れて、

受診を控えたり、

電話やオンライン再診を

利用する方が増えている印象です。

 

※コロナを恐れて、医療機関の受診を控える、、、
これに潜む健康被害のリスクを知りましょう!

 

 

こうした背景を踏まえ、

わたしの勤務先でも、

「電話再診」の仕組みを導入し、

通常の診療と組み合わせては

いるものの、

これを3ヶ月程度続けるなかで、

様々な「問題点」が

浮かび上がってきました。

 

現役医師として、

実体験ならびに、

最新の「医学論文」も

参照しながら、

今回はこの問題に

斬り込むことに

致します!

 



 

 


持病の悪化。。。
「ガン」の診断、治療の遅れが懸念されます。。。

 

電話やインターネットを

通じての診察については、

厚生労働省が

指針を示しています。

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

これまでは、

慢性のご病気などで

定期的に通院している

患者さんを対象として

「再診」のみを認める、

という仕組みであったのが、

この指針を注意深く読んでみると、

今後は「初診」の患者さん、

つまりは、

一度も対面診察したことのない患者さんも

一定の条件を満たせば、

「電話やオンライン診察」して良い、

との驚くべき内容が

盛り込まれています。

 

しかし、

特に初めて診察する

患者さんに対しては、

病状の聞き取りに加えて、

そこから予想される診断を踏まえた

血液検査、尿検査や

レントゲンの撮影など、

総合的な見地から

診断を絞り込み、

経過を観察したり、

あるいは

薬を処方して、

治療効果を判定する訳です。

さらには、

「これは、より詳しい検査が必要なのでは?」

「入院を進めた方が良いのでは?」

という判断となり、

受診当日に

より大きな「総合病院」

へ紹介させていただく、

といった事例もよくあります。

 

※医師は、病状の聞き取りや、身体の診察、
様々な検査結果などを総合して
正しい診断が出来るよう、努めています。

 

 

つまりは、

患者さんの訴える

「症状」や「検査結果」

によっては、

このような複雑な診療プロセスが

不可欠な場合がある訳です。

 

私が最近経験した、

具体的な事例をお伝えします。

 

ここ3年ほど、

慢性腎臓病の持病で、

※クリックで外部サイトへリンクします。

通院いただいていた

ある80代の男性の方が、

5月下旬から6月にかけて

少しづつ食欲が低下して

やせてくる、ことを

自覚しておられたようです。

 

この方は、

さまざまな検査も含めて

毎月一回診察をさせて

いただいていたのですが、

5月と、6月は

「コロナ感染リスク」を

心配されて、

本人、ご家族より

「電話再診」の希望があり

電話診察での対応となりました。

「大丈夫ですか?」

「お変わりないですか?」

程度の問診でしたが、

その際には、

特に訴えなどは、おっしゃらず、

「なにかありましたら
早めにお越しくださいね」

で診察を終えていました。

 

しかし、7月上旬、

傍目にも調子が悪そうで

あったのか、

ご家族から、臨時で

「対面診察」の

ご希望申し出がありました。

 

久しぶりに

診察室でお目にかかった

その患者さんは、

いつもの元気がなく、

カルテの記録と見比べて

「体重の減少」が

目立ちました。。。

 

自分の臨床経験から

「これはなにかあるかも?」と考え、

血液検査やレントゲン検査を実施して

結果を見たところ。。。

残念ながら、

悪い予感が的中しました。

 

栄養の状態が悪く、

レントゲン写真で、

胸になんらかの「影」が

見つかったのです。

 

ご本人、

ご家族に、

状況を丁寧に説明申し上げ。

すぐに、近隣の

「総合病院」を

ご受診頂きました。

 

 

 

精密検査のため、

すぐに入院が決まり、

結果「肺ガン」の診断が確定し、

現在は「抗癌剤」の

治療を受けられています。

 

ご家族のお話では、

幸い治療がよく効いて、

以前より調子が良さそうです、

とのお話で、

少し安堵させては

頂きましたが。。。

 

with コロナ時代

外来診療で、

間違いなくこうした事例が

多発するであろう、、、と

非常に悩ましく、

考えさせれた経験でした。

 

※with コロナが、通常診療にも
悪影響を与えつつあります、、、

 

「コロナなので受診を控えたい」

という方、全てに対して

必ず来院するよう説得するのは

とても難しい印象です。

 

しかしながら

思わぬ重大な病気が、

隠れている場合には、

「電話やオンライン診察」だけでは

見逃す恐れがある。。。

 

このことについて、

医療従事者は

世間に対して

もっと積極的に

「情報発信」

すべきでは?

 

強くそのように思う次第です。

 



 

 

コロナだけでなく、

熱中症などでも

体調不良が起きやすい

今の時期。

「自宅安静で様子をみよう・・・」

「きっと夏バテだろう・・・」

という判断で

重大な病気が見逃されるリスクがある、

このことを是非、

心に留め置きください。

 

この問題に関連して、

世界の超一流医学雑誌、

LANCETにて、

先頃論文が発表されました。

 

内容は、

「コロナ感染パンデミック」

の影響で、ガンの診断が遅れ、

本来であれば避けられるであろう

ガン患者さんの死亡率が

5年後には、約5%程度増える、という

イギリスの医学会から発信の

恐ろしい統計予想です。。。

 

The impact of the COVID-19 pandemic on cancer deaths due to delays in diagnosis in England, UK: a national, population-based, modelling study

 

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

現役医師として、

実体験もふまえて

やはり、そうなるだろうな。。。

という感想で、

とても参考になる論文でした!

 



 

 

 


自宅で出来る「健康診断」がある?! 
それでも必ず医師の「診察」を受けましょう!

 

以上、

体調不良の際には、

出来る限り

医師の診察をうけることが

望ましいことは、

お伝えできたと思いますが。

 

今のところ、

自覚症状はないが、

病気が気になる

年頃だけに笑、

「健康診断」

受けておきたい

とお考えの

お父さん世代の方も

多いと思われます。

 

with コロナ時代の、病気の予防はどうすべきか?
新しい健診のあり方を考える必要がありそうです。

 

それでも

withコロナのご時世、

元気で病院の健診に

出かけた結果、

「コロナに感染してしまった。。。」

という冗談のような話も

現実に起こり得ます。

 

そこで、市販されている

「自宅で出来る人間ドック」

のキャッチ・コピーを掲げる

健診サービスを利用する、

という方法をご紹介致します。

 

 

こちら「おうちでドック」

販売元のサイト

※クリックで外部サイトへリンクします。

拝見しますと、

以下のように書かれています。

「おうちでドック」は、
自宅で数滴の血液と尿を検査して、
がんや生活習慣病を調べることができる
郵送型検査キットです。

※おうちでドック、ホーム・ページより原文引用です。

 

 

また検査結果の表

※クリックで外部サイトへリンクします。

医師の目からみて

病院で受ける健康診断で

用いられる指標と

ほぼ遜色がない印象です。

 

病院に行かずとも、

自宅で「血液検査」が実施できる、

なかなかに

興味深いと思います。

 

尿の採取はともかく、

指先に針を刺しての

※クリックで外部サイトへリンクします。

血液の採取は

ちょっと痛いかも?

とご心配の方も多いはずです。

 

わたし自身も

別の機会に、

「指先採血」を

試した事がありますが、

通常は「針先」が

見えないように

配慮されているため

ブチッと刺される瞬間に、

ちょっと驚きつつ、

「痛っ」と

医者でありながら

声をあげてしまいました笑

 

みなさまは

動画案内をよくご覧になり、

リラックスと

心の準備をして、

血液の採取に

臨まれると事を

オススメ致します。

 



 

 

このサービスは、

例えば、

ちょっと身体がだるい、

よく喉が乾く、

少し痩せてきた

などが気になっている方が、

実は「血糖値が高い」ことが

原因であるような場合に、

こうした

治療対象となるべき

「病状」の早期発見に、

とても有用と言えます。

 

検査結果を見て、

食生活を含めた

生活習慣を見直そう、

詳しい検査を受けた方が良いかも?

といった、行動変容につなげる。

これらの「キッカケ」作り、ですね。

 

 

 

一点、

現役医師として

注意を申し上げますと。

血糖値が高い→すなわち糖尿病ではないため
(膵臓ガンなどが原因のこともあり得ます)

※クリックで日本内分泌学会のサイトへリンクします。

やはり

検査結果の異常値の解釈

につきましては、

決して自己判断で終わらずに、

必ず医師の診察を受けて欲しい

という点を強調申し上げます。

 

※少しでも結果が気になる際には、ためらわずに
医師に相談しましょう!

 

◆関連記事です。

現役医師が、患者さんに⁈「大腸カメラ体験記」〜前編〜

※私も、しっかり「健診」を受けています!

 

血尿?! スマホで「医療情報」を検索するあなたに。

※ネットの「医療情報」との付き合い方指南です。

 

 



 

 


今回のまとめです。

 

◉医療機関の受診を控えることによる、健康被害とは?

◉今から5年後、「ガン」患者さんの死亡率が増加する?!
という恐ろしい予測があります。

コロナ以外に、診断や治療を急ぐべき病気、

特に寿命を大きく左右する

「ガン」が見逃される危険が高まっています。。。

特に暑い今の季節、

身体がだるい事が続く場合などは

安易に「熱中症」と自己判断せず、

かならず医師の診察を受けてください!

自宅で出来る健診サービスとは?手軽に健康チェックは
アリですが、気になる症状があれば必ず「受診」しましょう!

定期的な、

健康診断は、

病気の予防にとって

とても大切です。

withコロナの状況は

まだまだ続くと予想されます。

病院の受診が

ためらわれるようでしたら、

病気の早期発見のキッカケに

おうちでドック家族セット

などのサービスを利用してみては

いかがしょうか?

ただし、

結果を見てご心配な際や、

実際に体調不良がある場合には、

必ず医師の診察を受けて下さい!

 

お読みいただき、

誠にありがとうございました。

 

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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