今回は、学会活動に関して報告させて頂きます。
来る、2/10(日曜)・愛知県名古屋市にて
「透析運動療法研究会」
が開催予定です。
※研究会のホーム・ページへリンクします。
高齢化する、透析医療の現場では、透析患者さんが筋力の低下を誘因として移動が困難となり、
結果、日常生活での活動性の低下を来す事が知られています。
その結果、転倒して骨折し入院したり、人と関わる事が億劫になるなど
社会性の喪失にもつながるという問題点も指摘されています。
そのような状態になると、気分的にも塞ぎ込む事になり、
抑鬱や、認知力の低下といった、精神的な悪影響にもつながってくる訳です。
つまりは。
運動機能、身体機能の低下は、
「健康寿命」を確実に悪化させる、
と考えられます。
従いまして、身体機能、これを支える最低限の筋力をいかに維持していくのか?
さらには、快活に過ごすための筋力維持のために、個人としてはなにができるのか?
医療従事者は、なにがお手伝いできるのか?
これは、なにも透析医療に限らず、特にご高齢の方を対象とする医療全般に
おいて効果的な対策が急がれる、非常に重大なテーマと言えます。
こうした背景のため、ここ最近では従来の薬物療法や、食事療法に加えて、
「運動療法」への関心が高まってきています。
私が、非常勤医師として診療をお手伝いさせて頂いております、
偕行会・城西病院では
医師、看護師、栄養士、理学療法士、健康運動指導士さんが、多職種で連携し
チームで、よりよい「運動療法」の推進・実践に日々努めております。
個人的には、運動療法を安全かつ、効果的に提供するには、
実に様々な工夫や注意が必要なため、
この分野はとても奥が深いと感じています。
この薬を飲んでおいて下さい、といったような雰囲気で、
こういう運動をして下さい、と医師が一方的に
説明し、実行させるというやり方はうまくいきません。
そもそも、患者さんというのは、それほど運動や、身体を動かす事が
好きな人ばかりではありません。
加えて、さあ運動をさせてみたいが、患者さんが、
ここが痛くて動かせない!足が浮腫んでいるが、運動させて
大丈夫なのだろうか?など。
病状や治療方針にまで細やかな配慮が必要になってくるため
理学療法士さんや、運動療法士さんだけでも、うまく行きません。。。
そして運動中には、血圧や脈拍はチェックしなくてよいのか?
もし測定するとしたら、医師がずっとついている必要があるのか?
看護師さんに、お手伝い頂けないだろうか?
なども、検討すべき大切な事項といえます。
今回の研究会では、
特別講演の枠を頂きましたので、
透析医療の現場で、今、運動療法が注目されている理由。
では、実際にどうやって運動療法をすすめていくのか?
運動療法の効果を、医学的に検証した結果について。アメリカ腎臓学会での
学術研究発表について。
慢性腎臓病診療の外来診療においても、運動療法を実践できるか?
→臨床研究として、英語論文採用されました!その内容をお伝えします。
楽しく、運動療法を継続するには?
VR連動型・運動療法推進機器の開発計画?!
おもに、これらについて、腎臓内科医として、透析医療に関わる現場の医師として
お話をさせていただくつもりでいます。
もし、これは聞きたいな、というテーマがございましたら、
日曜日ではありますが、
是非、お誘い合わせの上お越し頂けますと、嬉しいです。
当日は、参加者の皆さんと、活発な討議ができる事を期待しております。
お読みいただき、ありがとうございました!