ドライ・クリーニング洗剤には、発がんリスクがある?!
衣料品を
クリーニング店
にお預けになった事が
あれば、
誰でも一度は
「ドライ・クリーニング」
という言葉を
耳にした事があるかと
思われます。
たぶん、
家庭の洗濯ではできない
特殊な工程の
洗浄作業なんだろうな、
私は
その程度の理解でしたが。
最近、
「ドライ・クリーニング」
に用いられている
有機溶剤(化学物質)
による
重大な健康被害、
特に
発がん性!!
についての医学研究論文を
いくつか
目にする機会があり、
私も含め、
みなさんの
「健康寿命」
を守るため、
こちらに
私が調べた結果と
具体的な対策、
についてまとめてみましたので、
是非、
ご参考下さい。
テトラクロロエチレン (tetrachloroethylene)の発がん性!
※石油系、塩素系、フッ素系などの種類がある有機溶剤。
まずは、
この
テトラクロロエチレン
について
とてもよくまとまっている
英文のサイトを
参照しながら、
解説致します。
https://www.cancer.org/cancer/cancer-causes/tetrachlorethylene-perchloroethylene.html
※American Cancer Society のサイトへリンクします。
- どんな物質なの?
塩基性の有機溶剤とされています。脂汚れを落とすために必須の成分なんでしょうね。より詳しく知りたい方は↓※テトラクロロエチレンのWikipedia にリンクします。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%81%E3%83%AC%E3%83%B3
- どうやって身体に吸収されるの?
常温では、液体ですが蒸発することで容易に大気中に拡散するとされています。従いまして、呼吸によって肺に到達し吸収されたりあるいは皮膚などからも吸収されたりします。加えて、これを含む水や食物からの吸収経路も知られています。。。吸入による健康被害については、以下の論文で、「職業としてクリーニング作業に従事する」事と、「自宅でクリーニング作業習慣がある事」が、長期的に肺の機能を低下させている、つまりは健康被害をもたらしている!という驚くべき結論を示しています。Am J Respir Crit Care Med. 2018 May 1;197(9):1157-1163. doi: 10.1164/rccm.201706-1311OC.Cleaning at Home and at Work in Relation to Lung Function Decline and Airway Obstruction.
Svanes Ø1,2, Bertelsen RJ1, Lygre SHL2, Carsin AE3,4,5, Antó JM3, Forsberg B6, García-García JM7, Gullón JA7, Heinrich J8, Holm M9, Kogevinas M3, Urrutia I10, Leynaert B11,12, Moratalla JM13, Le Moual N14,15, Lytras T3,16, Norbäck D17, Nowak D8, Olivieri M18, Pin I19, Probst-Hensch N20,21, Schlünssen V22,23, Sigsgaard T22, Skorge TD2, Villani S24, Jarvis D25, Zock JP3, Svanes C26,2.
※外部のサイトへリンクします。
※たばこ、と同様に呼吸器系への健康被害について研究報告されています。
- 発がん性はあるの?
これについても、数多くの基礎研究(細胞や動物を使った研究)と臨床研究(ヒトを対象とした研究)で発がん性物質である可能性が高い!とのエビデンスが得られています。その機序のひとつとしてDNAの損傷という点が指摘されているようです。Int J Occup Environ Med. 2017 Oct;8(4):224-231. doi: 10.15171/ijoem.2017.1089.Primary DNA Damage in Dry Cleaners with Perchlorethylene Exposure.
Azimi M1, Bahrami MR2, Rezaei Hachesu V1, Zavar Reza J3, Mihanpour H1, Zare Sakhvidi MJ4, Mostaghaci M5.
※外部のサイトへリンクします。
※DNAへのダメージは、細胞のがん化に繋がります。。。 - 特定の職業における暴露の危険性は?
これについては、これまで挙げているドライ・クリーニング作業従事者に加えて金属部品の脱脂作業(アブラ汚れを落とす作業)に従事されている方が最も発がんリスクにさらされていると報告されています。作業の工程でどうしても日々「吸収」してしまうのでしょうね。。。有機溶剤に変わる別の解決法、が待たれると言えますね。Occup Environ Med. 2017 Mar;74(4):268-274. doi: 10.1136/oemed-2016-103849. Epub 2016 Nov 1.Occupational exposure to chlorinated solvents and kidney cancer: a case-control study.
Purdue MP1, Stewart PA2, Friesen MC1, Colt JS1, Locke SJ1, Hein MJ3, Waters MA4, Graubard BI1, Davis F5, Ruterbusch J6, Schwartz K6, Chow WH7, Rothman N1, Hofmann JN1.
※外部のサイトへリンクします。
※仕事で「有機溶剤」を扱う方の健康が守られるべき!
では、普段から、なにに気をつければ良いの??
さて。
自分は
クリーニング店に
勤めていないし、
工場で、
金属のアブラ汚れを
落とす仕事も
していないから、
大丈夫!
そう感じておられるかも
知れませんが。
それでも、
ドライ・クリーニングから
戻ってきた衣類から、
この
テトラクロロエチレン
を
吸収してしまう、
危険性が残されています。。。
もし、
肌から吸収された
場合には、
赤くなったり、
かゆみを感じたり、
更には
湿疹(しっしん)
のようなものが出る。
すなわち、
アレルギー反応、
を起こすリスク
がある訳です。。。
もし
こうした経験がある方は
充分に注意が必要です。
対策としては、
衣類の
「匂い」が
少しきついのでは?
と思うような
場合には、
残留し付着している
「有機溶剤」
の影響を考慮して
そのまま肌を通さず、
風通しのよい場所や
天日にさらして、
「化学物質」
を大気中に放散させてから
袖を通すように
するのが
無難と言えます。
※ドライ クリーニングの後の衣類は天日干し!
肌の健康に
お悩みの方には、
是非とも
心に留めて
おいて頂ければ
幸いです。
今回は、
普段、
あまり意識されていないであろう
ドライ・クリーニング、
という身近なサービス
に潜む、
「健康長寿へのリスク」
について
まとめてみました。
出来る範囲で、
こうした
化学物質から
自分や
大切な家族の
身を守る事を
心掛けて
いきましょう!
環境汚染や
身近な食品などによる
「健康被害」
について関心ありましたら、
是非、
以下もお読み頂ければと
思います。
現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。 ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。