認知症で「銀行口座が凍結」!について、勤務医として思う事。

認知症(にんちしょう)になると、銀行口座が凍結する?!

 

 

ご高齢の方は、時に金融機関窓口で苦労されるかも知れません。。。

 

 

認知症となり、

銀行の通帳を何度も紛失されたり

銀行で、うまく自分の預金を

引き出せなかったりする

ご高齢の方が

最近増えてきている。。。

最近

そんなニュース報道を

目にしました。

 





これも、

超高齢化社会を迎えるにあたり

真剣に考えていく必要がある

課題のひつとでしょうね。

 

 

 

歳をとっても、

足腰丈夫で、

外出を楽しんだり。

趣味を愉しんだり。

このためには、

やはりある程度の

「蓄え」

は必要であると思われます。

 

 

 

 

銀行などの

金融機関の窓口では、

認知力が低下して

意思疎通が困難になった

高齢者の方への対応につき、

研修などを行っている

との報道もなされています。

 

きっと、

非常に苦労しているだろう、と

想像されますが、、、

こうした方への配慮を

考えるうえでは、

毎日多くのお年寄りが押し寄せる

「病院」

の取り組みが

大いに参考になるのでは?

と、ふと思いまして。

あれこれ、書いてみたいと

思います。

 

更には、

この「認知症の方の銀行口座凍結」

といった社会問題に対しては

金融機関と病院が

お互いに知恵を出し合って

連携して取り組むべきでは?

と個人的には思っています。

 



 

 

 

 


勤務医の立場から見た、お年寄りの「医療とお金」にまつわる小話。

 

 

私の外来に

通院されている

齢80歳を超えた、

あるお年寄りの女性の方の

エピソードを

ご紹介したいと

思います。

 

その方は、近い将来に

「透析医療」が

必要になる病状です。

 

足腰も丈夫で

普段は、お一人で通院されております。

理解力もよく、

とても矍鑠(かくしゃく)とした

方で、ご自身の意思も

はっきりと伝えられる方で

いらっしゃいます。

 

その方が、

入院に備えて、

万が一の事を考えて

ある程度まとまった

お金を引き出しに、

金融機関を訪れたそうです。

 

しかし、

どうやらその窓口で、

「こんな大金をどうするのか?」

*いくらかは詳細不明ですが、、、

 

 

 

「本当に必要なのか?」

「家族は、この事を知っているのか?」

などを、

根掘り葉掘り聞かれたそうです。

結局、窓口から

息子さんに電話を入れて、

遣り取りを代行してもらい

なんとか「預金の引き出し」

は出来たと

言っておられました。

 



 

金融機関側としても

「オレオレ詐欺」

に遭っていないだろうか?

という親心的な配慮が

あったのかも知れませんが。

 

 

 

ご本人としては、

「自分のお金なのに!失礼しちゃうわ!」

と、かなり不愉快な経験であったようでした。

 

この事からも

分かるように、

お年寄りが、

「まとまったお金」が

必要になるのは、

「医療や介護が必要となる場面」

が割合としては、圧倒的に

多いのではないだろうか?

と思う訳であります。

 

今回ご紹介した方ですら、

このような状況とすれば、

「認知症」の方の場合は、

金融機関窓口で、どんな対応を

受けるのだろうか??

想像に難くないですよね。。。

 

そして、こうした際に

電話がかかってくるであろう

我々のような

働き盛りの世代の方は

すぐに金融機関にかけつけるのは

仕事の都合もあって

とても難しいのでは

ないでしょうか?

 

実は、

病院の医師も、

こうした認知症の方や

ご高齢で、独居の方が

入院や手術などの治療が必要になった場合、

その説明を理解してもらい、

同意を得るのに、

毎回非常に苦心惨憺

しております。。。。

 

そこで、医師以外にも

看護師さんや

ソーシャルワーカーさんなど

多職種の方で、

患者さんの認知力、

生活背景、

介護の状況、

家族との関係、

などなど、

様々な情報を収集し

入院生活、療養生活を

支えるノウハウを

病院というところは

提供している訳です。

 

 

 

 

 

「お金」

という、生活に密着した

用件を扱う金融機関窓口も、

おそらく、

こうした複数のプロ職種からなる

チームで、

「認知症の方」に

対応せざるを得ないだろうな

と想像されます。。。

 

 

 

さすがに

診察室では、

あまり「お金」の話はしませんが、

説明を聞いて下さっている

ご家族など身内の方は、

「入院費はどれぐらいだろう?」

は、おそらく病気の治療内容の

次に関心の高いテーマなんだろうな

と、いつも感じています。

 

 



 

 

従いまして、

私としては、

認知症になってしまった方

ご自身の

金融機関口座から、

入院費や介護費用を

捻出したい場合には、

ご家族の証明に加え、

医療機関や、あるいは医師が

なんらかの

「証明書」を

発行するというアイディアは

有意義ではないか?

そのように

考える次第です。

 

 

 

 

もちろん、今でも

「診断書」

などはご希望に応じて

発行していますが、

これはどちらかと言うと

会社にお勤めの方が

「病気休暇」を申請する際に

使われるのが

一般的かと思われます。

 

高齢者ドライバーの

認知力検査のため

病院を訪れる方も

増えてきています。

 



 

 

医師が、

あるご高齢の方の

心身の健康状態を証明する事が、

社会から、ますます求められるであろう、

と痛感しています。。。

 

例えば、ある金融機関が

病院と提携し、

なんらかの

フォーマットを共有し、

個人の口座からの

預金引き出しのために

必要事項を医師が

記入する、

などの仕組みは

どうでしょうか?

 

 

 

 

紙媒体ではなく、

今ならスマートフォンの

アプリなどを活用する

という方法もありますよね。

 

 

 

 

 

個人情報の管理などの

技術面でクリアすべき課題は

いくつかあるでしょうが、

「病気や認知症になっても、

病院がお金の引き出しに協力してくれる」

というサービスは、

利用する個人はもちろん

金融機関、病院の双方にとっても

(入院費の未払いという問題があります)

とても有益であると考えます。

 

*病院と銀行が連携して、高齢者とそのご家族のために、なにか新しいサービスを!!

 

お読みいただき

ありがとうございました。

いろいろアイディアありますので

これを読まれた、

金融機関にお勤めの方は、

もしご興味あれば、

是非ご連絡下さい!!

 

石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭

現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

 

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