中高年男性のための「孤独」への処方箋

無視できない「孤独」の健康長寿への悪影響

 

 

独りで過ごす事を、

みなさんはどのように

お考えでしょうか?

 

忙しい毎日を送る

お父さん世代ですと、

「休みの日ぐらい、独りでゆっくりしたい」

と思う時もありますよね。

わたしも、大いに共感します。

 

独りでいる事が

リラックスに繋がるならば

よいのですが、

もしそれが、

ご自身にとって

「孤独感」や「疎外感」

といった負の感情であったり

苦痛を感じるようであれば、

それは「健康長寿」にとっては

重大な脅威と言えます。

 



 

今回は

「孤独」と「心身の健康」

をテーマに考察する事にします。

そして、わたしなりに

おそらく有効と思われる対処法、

についてもお伝えしたいと

思います。

 

以下のふたつの医学論文は、

孤独でいる事(Loneliness ) が

健康長寿、にとって、

どのような影響があるか?

を調査した臨床研究になります。

 

Perspect Psychol Sci. 2015 Mar;10(2):227-37. doi: 10.1177/1745691614568352.

Loneliness and social isolation as risk factors for mortality: a meta-analytic review.

Holt-Lunstad J1Smith TB2Baker M3Harris T3Stephenson D3.

 

Public Health. 2017 Nov;152:157-171. doi: 10.1016/j.puhe.2017.07.035. Epub 2017 Sep 12.

An overview of systematic reviews on the public health consequences of social isolation and loneliness.

Leigh-Hunt N1Bagguley D2Bash K3Turner V4Turnbull S5Valtorta N6Caan W7.

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

これらによりますと、

「孤独」は

心血管系の死亡、

つまりは心筋梗塞(しんきんこうそく)

や心不全(しんふぜん)

と言った致死的な病気の発生や

メンタルヘルス(心の健康)の悪化

と、大いに関わっている、

と報告されています。

なかなかに

深刻な事態と思われますね。。。

 

心血管系の病気は、

肥満や糖尿病、

喫煙の習慣などが

原因です、と言われますと

なるほど、そうかもな、

と納得頂けるかと思いますが、

「孤独でいる事」自体が

危険因子である、という研究結果には

少し驚かれるのではないでしょうか?

 

医学的には、

「孤独」を苦痛と感じる場合には、

心身には、強い「ストレス」という

負荷がかかります。

これにより、ホルモンのバランスに

影響が出て、結果として

血圧や脈拍が上昇する事に

繋がったり、睡眠不足を

引き起こしたりするため、

様々な「病気」を発生させる

危険があると考えられます。

 

つまりは、

我々の身体は

「孤独」を

生存に関わる重大な状況として認知し

その状態は速やかに「回避すべく」

心身に危険信号を発している。

と捉える事が出来そうです。

 

苦痛を感じる

「孤独」の危険性について

なんとなく、お分かり頂けましたでしょうか?

 

では、もう少し現状を把握しつつ

その対策について

考える事に致しましょう。

 



 


お年寄りだけじゃない、中高年の「孤独死」。。

 

新聞報道などで、

独居のお年寄りの

「孤独死」

といった話をご存じかと

思います。

 

ただし、これは

「孤独だから亡くなった」

のと

「孤独に亡くなった」

とでは、かなり解釈が

異なってくる事に注意が必要と

思われます。

 



お年寄りが、

誰にも迷惑をかけずに

「独り静かに暮らしていて」

その結果、お亡くなりになる

ケースもあるでしょう。

その一方で、

社会から孤立して、

誰からも顧みられないまま

心臓血管の病気などで

突然に亡くなる。。。

こちらは

「孤独だから亡くなった」

と解釈出来そうです。

これについては、

以下の本にも触れられていますが、

お年寄りではなく

むしろ中高年男性に多いようで、

とても衝撃を受けました。。。

 

 

 

著者は、

独り暮らしで亡くなった方の

「ご遺体」の現場を訪問し、

「ご遺体」の搬送や、

その現場の清掃などの

お仕事を、誠心誠意

請け負ってこられた方と

拝察しました。

 

亡くなった方の

お部屋には、

時として、溜まった洗濯ものや

洗っていない食器、

やりかけの仕事の書類、などが

散乱しているようで、

その方が死の直前まで

どのような暮らしをしていたのか、

伺い知る事ができるようです。。。

 

もしかしたら、

亡くなる何日も前から

体調が悪かったのでは

ないだろうか?

誰かに助けを求める事は

しなかったのか?

出来なかったのか?

まさか、

このような形で、

最期を迎えるとは

想像していなかったのではないか?

やり残した事もあったのではないか?

 

まさに

「孤独であった事」

亡くなる原因であったのかも知れない。

そんな事を想像させられる

とても切ない読書体験でした。

 

中高年男性を襲う健康リスクである

「更年期障害」

これも、まわりからの

「孤立」につながる危険性が

とても高いと思われます。

以下も合わせてご覧下さい。

 

そのイライラと、うつ。更年期障害の症状かも?

 

 



 

 


「孤独」への処方箋、「なんでも面白がる力」を養う!

 

 

世の中には、

「孤独」は悪くない。

そのようなメッセージの本も

散見されます。

 

 

無理せずに、

うまく「孤独と向き合う」

「孤独と折り合いを付ける」

壮年期を

心身健康に過ごすうえで

これも大切な

心のありよう、と言えます。

 

確かに、

気疲れする人間関係で

消耗するのも、

心身にとっては

「ストレス」に

なる事は間違いないでしょう。

 

しかし、

現役医師として、

健康長寿を考えるブログを執筆する

一個人として、

「社会との繋がりを持ちつつ、

独りも楽しめる」

そんな生き方を

模索していきたいと

思っています。

 



英語ですと、

独り、の表現として

Lonelinessaloneという

使い分けが存在しています。

そして

aloneは、

独りではいるが、必ずしも

寂しさや、苦しさといった

負のニュアンスは

含まれていないように

感じられます。

 

私の好きな映画に、

マイケル・マン作の

「ヒート」

があります。

 

 

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

強盗組織のリーダーである

ニール、を演じるロバート・デニーロは

恋人に対して

I’m alone, but I’m not lonely.

と言うシーンがあります。

まあ社会正義には反する笑

人達ではありますが、

仲間とは強い絆で結ばれており、

決して依存しあう関係ではない

まさに「孤高」の男達を描いた傑作

というのが、わたしの感想です。

 

仕事をしている時は、

なんとなく関わりをもっているが、

そうでない時には、

一緒に過ごそうとは思わない、

そういう人達しか周りにいない場合には

要注意でしょうね。

 

では、どうすると良いのでしょうか?

ひとつには、なにか趣味を見つけて、

同じ趣味の仲間達と交流すのがよい

と書かれている本が多いと

言えますね。

 

確かに、

定年を迎えていきなり

好きでもない

ゲート・ボールなどをやるために

ご近所同士で集まる、というのは

楽しい、というよりも

むしろ苦痛笑

だろうな、と想像します。

 



 

わたしとしては、

「趣味!」と

意気込まずに、

まずは、なんでもよいので

ちょっとした事を

「面白がる!」

という思考、行動こそが

大切なのでは?

孤独に陥らない秘訣では?

と思っています。

 

 

 

ある程度の

年齢になってくると、

「そんな事知っているし」

と分かったつもりでいたり

新しい事に対しても

「なんだか面倒なんじゃないか。。。」

などと尻込みして、

「面白がる」という事から

遠ざかってしまう傾向に

あるように思われます。

 

遊び心、を忘れずに。。。

 

最初から、

誰かと、なにかを始めよう、

でなくてよいので、

自分が、ちょっと気になる事を

あれこれ調べてみたり、

気になる場所へ出かけてみたり、

まずは、これを心掛けてみては

いかがでしょうか?

 

そして、

そういう経験を通して

感じた事や、面白かった事を

周りに話してみますと

共感してもらえたり、

同じ価値観の人達がいて、

場合によっては、

一緒にやってみましょう、と

発展する可能性もあるわけです。

 



こちらの

ブログも、

基本的には世の中で

言われている事や

出来事に対して、

いろいろな視点から、

「それってどうなの??」

という知的好奇心が

いつもスタート地点です。

 

たまに、

お問い合わせを頂いたり、

コメントをもらえますと

他人との繋がりを感じられて

とても嬉しくなります。

 

最近始めた

こちらのYouTubeチャンネルや

以下の

「和尚さんとの対談動画など

大ヒットさせよう!

などと大上段に構えず、

まあ面白そうだから

とりあえず、やってみようか!と

同じ価値観を持つ方々との

ご縁がつながって、

実現した企画です。

 

 

 

燃え尽き症候群 を防ぐには?和尚さんに聞いてみた!

 

 

 

動画の編集などは

「孤独」な作業ではありますが、

ご覧下さる方も

面白がって頂けたらな〜

と、社会との関わりも

意識出来るため、

決して「苦痛」ではありません。

 

おかげさまで、

こうした活動を通しても

つかず離れずの

わたしにとっては、心地よい

交友関係が広がりつつあります。

 

今回も、

お読みいただきありがとうございました!

「孤独」と「健康長寿」

は、とても注目されているテーマと

思われます。

面白がる力を高め、

是非、ワクワクする毎日を

お過ごし下さいませ。

こちらの記事が

なにかのお役に立てましたら幸いです。

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭

現役医師、医学博士。二児の父。
徳川幕府・直参旗本石川家末裔。

ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!
との信念からマインドセット、
食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

 

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