現役医師が、サウナの医学的効果!を熱く語ります。

サウナで健康増進?!を

医者目線で検証する。

 

 

先日、

朝のニュース番組で、

今「サウナ」が熱い!

(そもそも「暑い」ですよね)

との事で、

特集をやっていました。

 

 

 

 

サウナを楽しむ人達を

saunner

(サウナー)

※クリックで外部サイトへリンクします。

などと呼称し

サウナ習慣を

流行に敏感で

おしゃれなイメージに

仕立てる世の動きもあるようです。

 



 

 

 

その特集で

「サウナ」は

心身の健康にとてもよさそうである

と多くの愛好者が

とても心地よさそうに

コメントしているのが

ちょっと気になりました。

 

 

 

 

「健康長寿!」

ブログを運営する

現役医師のわたしとしては、

これは是非とも、

自分で体験して、

医学論文も参照しながら

ひとつ記事にまとめなくては!

という使命感にかき立てられました笑

 

では、

サウナって、医学的には

どういいの?

について考察していきますので

是非ともお付き合い下さい。

 




改めて、「サウナ」を体験してみた!

わたし自身は、

温泉旅館に

宿泊した際などに、

「ちょっとサウナでも入ってみるか」

という程度です。

 

確かに、

かなりの汗をかいて

身体の代謝には

よさそうかな、

ぐらいには思っていましたが、

逆に、

「脱水症状」

を来す危険もあるだろうな、

などと思う事もありました。

 

 

 

ももん00さんによるイラストACからのイラスト  

 

今回、あらためて

「サウナの医学的効果」

を検証するために、

中立の立場で、

いつもより少し長めの時間、

サウナに滞在しようと

考えてみました。

 

幸い、

最寄り駅の

スポーツセンター内に、

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天然温とサウナが

完備されいたな、と

思い起こして、

早速体験してみました!

※クリックで外部サイトへリンクします。

 



 

 

浴室に入り、

身体を洗って、

「いざサウナへ」。

 

こちらの施設では、

ドライサウナ

ミストサウナ

塩サウナ

の三種類のサウナが

準備されていました。

 

塩サウナ。。。ってなんだ??

と思いつつ

まずは

サウナ初心者のわたしは

「ドライサウナ」

から始める事にしました。

 

 

ドライ(乾式)サウナ

 

これは

一般的なイメージの

「サウナ」のようです。

サウナ大国、

フィンランドのサウナ

このドライサウナとされています。

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

 

 

サウナの入り口には

お尻マットが

準備されていました。

最初はそれに気がつかず入り

木製の長いすに

着座しましたら、

確かにお尻に熱を感じました笑

我慢できないほどではなかったので、

そのまま居続ける事にしましたが。

 

室温は約80℃から100℃という

高熱で、すぐに顔が火照り、

発汗が始まります。

 

同室者と

裸同士で、特に会話することなく

(もちろん楽しくおしゃべりしするのも

ありなんでしょうね)

この熱気のなか、

じーっとしているのは

なんだか不思議な体験でした。

 



 

医学的には、

こうした暑さへの

順応のために

自律神経である

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交感神経の働きが活発になるため

分かりやすい変化として

脈拍数の増加があげられます。

 

そう考えて、

これに対する

相殺効果、カウンターを

期待して、

副交感神経にも

作動してもらうべく、

「深呼吸」

を試みる事にしました。

 

どの程度効果があったか

数値では検証していませんが、

こうして

ただ周りの環境や

呼吸の状態に

しずかに意識を向ける、

という作業は、

昨今注目されている

マインドフルネス

な状態として、

心身のリラックス効果

が期待出来るだろうな

とふと思いました。

 

※関連記事です、是非どうぞ。

滝行でマインドフルネス??

 

ストレス社会に

いきる私たちに、

マインドフルネスの

もつ医学的意義に関する

臨床研究もいくつか

報告されています。

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

 

 

さて、

10分程度、この

ドライサウナを体験し、

少しの休憩をはさんでから、

次は、

「ミストサウナ」の部屋に

入る事にしました。

 



 

 

ミスト(湿式)サウナ

 

こちらは、

読んでのとおり、

室内に水蒸気の湿気が充満した

サウナです。

 

室温は一般的に

ドライサウナに比べて

やや低めに設定されているようです。

 

確かにドライサウナに比べて

「圧迫感」は軽減されているように

感じました。

 

こちらでは

自分の汗と、水蒸気によって

すぐに身体が

「ベタベタ」になってきます。

これについては

あるいは好き嫌いがあるのかも

と感じた次第です。

 

これら

サウナに共通している

身体への

「高熱」という刺激は

ヒートショックプロテイン

と呼ばれるタンパク質の作用

によって免疫力を高める効果がある事が

分かっています!

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

Image by PublicDomainPictures from Pixabay 

 

※関連記事です、是非どうぞ。

健康寿命に効果的な、入浴方法とは?

 

 

 

塩サウナ

 

最後に「塩サウナ」ですが、

こちらは、

身体に「塩」を塗りつけて

入るサウナと思われるのですが。

わたしの探し方が

悪いのか。

あるいは、塩は各自で準備するのか?

肝心の

「塩」を見つけることが出来ず、

ドライサウナと

同じ体験になりました。

 

傷などがあると

とても「痛そう」ですが.

 

入浴剤として

「塩」を用いる事についての

肌への効果については

確かに医学研究報告もありますので、

※クリックで外部サイトへリンクします。

「死海の塩」が

肌の保湿効果や

アトピー性皮膚炎における

炎症を抑える効果があると述べています。

 

 

Image by Anna Sulencka from Pixabay 

 

塩+サウナでも

同様の効果が

期待できるかも知れません。

 



 

 


「サウナ」に関する医学研究の解説です。

 

では、

サウナの医学的効果について

論文を紹介しながら

簡単にコメントしておきます。

 

 

2017 Nov 1;30(11):1120-1125. doi: 10.1093/ajh/hpx102.

Sauna Bathing and Incident Hypertension: A Prospective Cohort Study.

 

こちらは高血圧研究に関する

信頼性の高い医学雑誌からの引用です。

 

ちなみに

サウナ大国フィンランドで実施された

臨床研究の結果です。

 

まさぷすさんによるイラストACからのイラスト  

 

毎週4-7回以上(ほぼ毎日!ですね)

サウナに通っている中年男性(平均年齢53歳)は

週一回通っている集団に比較して

(年齢や、喫煙の生む、家族の高血圧病歴

などの要因で調整をしても)

高血圧と診断される割合が

統計学的に有意に低かった、

と報告しています。

 

 

 

2018 May 29;90(22):e1937-e1944. doi: 10.1212/WNL.0000000000005606. Epub 2018 May 2.

Sauna bathing reduces the risk of stroke in Finnish men and women: A prospective cohort study.

 

こちらの臨床研究でも、

「サウナ」利用者では、

いわゆる

脳卒中リスクが軽減された、

と報告しています。

※クリックで外部サイトへリンクします。

 

mono777さんによるイラストACからのイラスト  

 

脳卒中のリスクのひとつに

「高血圧」があげられます。

 

先の体験記でお伝えしたとおり、

サウナでは、

脈拍、つまりは「心拍数」が増えます。

メカニズムについての

細かい説明は省きますが、

これにより

「血管」がより丈夫になると

考えられています。

そしてこの事は、

すなわち血管の「弾力」

関わってきますので、

「サウナ」を利用する事は

年齢とともに

ある程度は避けられない

「動脈硬化」と呼ばれる

生理現象を、

抑える効果があるのでは?

と考えられます。

 

ただし、

多くのサウナ施設で

入り口の注意書きに

ある通り。

なんらかの

「心臓血管系の持病」

をお持ちの方や

心臓に作用する

さまざまな薬を服用中の方、

そもそも

体調があまりすぐれない方は、

サウナの利用は

控えるべきと

言えます。

 

fukufukudouさんによるイラストACからのイラスト  

 

 

また、

大量の発汗が

予想されますので、

サウナの後でもよいですが、

どちらかと言うと

サウナに入る前に、

大量の水分を補給しておくのが

よいのでは?と

思いましたので、

現役医師の意見として

どうぞご参考下さい。

 

 

 

 

 

 

 

2019 Nov;121:184-191. doi: 10.1016/j.ejca.2019.08.031. Epub 2019 Oct 4.

Finnish sauna bathing does not increase or decrease the risk of cancer in men: A prospective cohort study.

補足ですが、

もうひとつだけ論文を

紹介しておきます。

「サウナ」が

ガンの発生予防になるか?

という研究も実施されようです。

残念ながら、

よい影響も悪い影響もない、との

結果ではありましたが、

先の高血圧や

脳卒中に対する、

数多くの研究結果が示す通り、

間違いなく、

「健康増進効果」

が期待できる、と

考えてよさそうです。

 



 

 

わたし自身も

「サウナ」体験後の夜は、

とてもぐっずり眠れて

翌日の体調も

とても良かったと実感しました。

 

毎日!

は難しいと思いますが。

特に寒い季節には、

なるべく頻繁に

「サウナ」を

利用して

「健康維持」に

役立てたいな、と

思った次第です。

お読みいただき、

ありがとうございました!!

 

 


石川英昭(いしかわひであき)

管理者・石川 英昭


現役医師、医学博士。二児の父。徳川幕府・直参旗本石川家末裔。
ワクワクする毎日を送る事が、健康寿命に効く!との信念からマインドセット、食事、生活スタイルについて、分かりやすい情報発信を心がけています。

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